学校は卒業したので

murasaki
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学校はすでに卒業したので、そのあとに感じるさびしさのことを知っている。卒業の日には感傷に浸る暇も実感もなくてにぎやかに過ごすけれど、その後に日常がやってきて、感じる静かな喪失感のこと。

イラストレーション青山塾という学校に通って、3年ほど経ち、今日が修了式だった。授業の宿題や修了展に出す作品の準備や、講師の先生方へのプレゼントなどを準備していたらあっというまにこの日が来てしまった。式というのは、心の整理をつけるために存在するのだと実感する。生徒はならんだ椅子に各々座り、事務局の方や講師の方の一言、修了証の授与などが行われた。簡易的なセッティングではあるけれど、講師と生徒と式次第、マイクがあればそこには式典の赴きがやどる。大人になるとこういう式に主役として参加することには縁遠くなってしまうのけれど、式が始まってしまえばあの感覚が蘇ってくるのだ。青山塾での授業は本当に鮮やかで楽しく、刺激的な時間だった。もうこの時間が生活から無くなってしまうと思うと、なんだか心許ない。卒業式では泣かないタイプの学生で、今日ももちろん泣かなかったけど、明日からの日常のことを思うとやっぱりさびしい。