年末年始は実家に帰った。台所に立って夕食のために箸やグラスを用意したり、食後に菜箸や包丁をしまうときに、今住んでいる家の配置と微妙な違いがあってわたわたとした。新居の食器や調理器具の置き場を決めるとき、もちろん実家の配置を参考にした。ただ、棚の配置やサイズ、同居人の意見を考慮して少しずつそれらの場所を調整していく必要があった。ふたつの台所には微妙な差異があって、その違いにそれぞれの生活が宿っているように感じる。越したばかりのころは、実家との配置の違いに戸惑った記憶があるのだが、この半年で身体には新しい家の配置の方が馴染んでいってるらしい。自分としてはまだ引っ越したばかりの感覚なのに、身体の方はみるみると環境に順応していく。