昨年GWに何の音楽フェスにも行けず、「今年こそは行きまくる!」と息巻いて複数のチケット抽選に申し込んだところ、全て当たった。5/4は埼玉、5/5は千葉、5/11は東京という中々のハードスケジュールになったが、とても楽しかったので備忘録。
フェス初日は5/4のビバラ。何気に初・さいたまスーパーアリーナだ。大抵フェスの前日は楽しみすぎて睡眠不足となり、それが仇で当日フラフラになってしまう。今回も同様だったが、屋内フェスなので何とか乗り切れた。友人と合流し、電車で現地へ向かう。昨年訪れた夏フェスを思うと、GWの気候の何て快適なこと!念のために準備した塩飴や汗拭きシートなどは一切使わずに済んだ。
スムーズに会場入りし、コレサワの音漏れを聴きながらまずは動線を確認する。休憩スペースやグッズ売り場などをひとしきり確認して、Chilli Beans.を観るためにアリーナへ下った。ビバラはメインステージを始め全体的に装飾がカラフルで、見ていて楽しい。初となるチリビは大好きな「Mum」「aaa」などが聴けて、演奏も良くてとても楽しかった。とにかくボーカルのMotoの声が好き。かもしだす雰囲気が独特で、でも個性を押し付ける感じはなくてただただ爽やか。毒がある感じとも違う。何とも唯一無二のバンドだと思う。
続いてindigo la End。フェスでは何回か聴いたことがあるが、やはり「名前は片想い」のイントロを聴くと良い意味でぎょっとしてしまう。不協和音とピアノの旋律こそ川谷絵音の真髄だと思っているが、この曲はその絵音節が存分に炸裂している。初めて聴いた時の衝撃を何度でも感じられる。「夏夜のマジック」では天高く掲げられたミラーボールがアリーナ中を光で包み、暗闇に幾千の光の粒のコントラストが何とも幻想的な雰囲気だった。この時点でお酒が入っていたので酩酊。
休憩を挟みながらSHISHAMO。とにかくレベルの高さをひしひしと感じた。聴きとりやすく意思の伝わるボーカルと、それを支えるパワフルな二人。好きな曲こそやらなかったが、安定感と楽しさがフェス向きだなあと感じた。なお、今回の春フェスではビバラ、JJ、メトロックと全日SHISHAMOと被っていた。
美味しいお酒と屋台飯を楽しんだり、けやき広場で風に吹かれたりして、いよいよ後半戦。WurtS、Tele、カラコルムの山々は泣く泣くスキップ。再度アリーナへ向かい、UVERWorldの始まる前には期待で会場の熱気が高まっているのを肌身で感じた。メジャーデビューしたての頃にアルバムを買って聴いていたUVER。TAKUYA∞の変わらなさに驚いた。「Touch off」で始まり、熱い歌声と演奏に、こちらも全力のハンドクラップとコール、ジャンプで応える。ビバラの会場が単独ライブに様変わりしてしまうような、力みなぎるライブだった。
そして本命のCreepy Nuts。昨年のサマソニでは熱中症になりかけ朦朧としながら「合法的トビ方ノススメ」を聴いたので、今回は意識を保ったまま聴けて良かった。アリーナも今日一番の込み具合で、何が始まるのか、最新曲?アルバム曲?定番曲?と友人とテンションを上げていたら、コツ…コツ…と響く足音と映像からスタート。数拍置いて「よふかしのうた」のイントロが流れ出し、地鳴りのような歓声が響き渡った。暗く広々とした屋内で夕暮れどきに始めるには最高の一曲。もう今日で足腰が終わってもいいやと思うくらいジャンプし、声を枯らすほど叫んだ。「堕天」「ビリケン」「doppelgänger」とノれる曲が続き、会場の熱気で雲ができるのではと思うくらい、5月の室内ではありえない量の汗が出る。ビリケンのイントロがめちゃくちゃ好き。最新アルバムからは「通常回」もしくは「japanese」あたりが来ると思っていたら、まさかの「ちゅだい」。Rの圧巻のラップ、松永の圧倒的なDJプレイにたまアリが揺れる。フェス向きではないけれど「エマニエル」「はらぺこあおむし」も聴きたかった…単独に行かなければ。
間髪入れずに「Bling-Bang-Bang-Born」のイントロ。毎回思うけれど、R指定はとにかく繋ぎのトークが上手い。曲中の煽りも一級品だ。Creepyを知らない人も置いていかない気概を感じる。そして、皆がシンガロングできるほどの有名曲を連発している凄さ。誇張ではなく、会場にいる全員が「Bling!Bling!」と叫んでいた。汗と熱気でアリーナの気温が5度くらい上がった後、「二度寝」。Creepyで一番好きな曲だ。松永の作るメロディラインの美しさ。二の腕がちぎれそうになるくらい腕を振りながら、光が差すステージにいる二人を観て泣きそうになった。エモい曲繋ぎで次は「オトノケ」 。こちらも切なさと爽やかさがいっぱいの歌詞と音運び。今回一番聴きたい曲だったのでとても嬉しかった。トークを挟み、最後は「のびしろ」。結構なパートを観客が歌っていたが、歌えと言われたら全部歌えるのではないかと思うくらいファンの熱気は最高潮だった。「俺らまだのびしろしかないわ!」と全員で叫んで、Creepyのステージが終わった。腕と腰とふくらはぎがジンジンと熱を帯び、体じゅうから滝のような汗が流れていたが、周りにいる人たちも私も皆一様に、心からの笑顔で最後まで拍手を送った。トップバッターを務めた一昨年のメトロック、「BBBB」を携えて登場した昨年のサマソニ、そして今回で三回目の「ロックフェスでのCreepy Nuts」だったが、完全に今日の主役だった。もちろんどのバンドもアーティストも素敵だったが、この日を思い出すとすれば二人の顔が真っ先に思い浮かんでくる。
Creepyで燃え尽きたままSUPER BEAVERが始まった。ボーカルの渋谷さんが復帰して嬉しい。生で聴くのは初めてだったが、馬鹿みたいな感想を言うと「こりゃ人気出るわ」と思った。歌詞の熱さが良い。「アイラヴユー」で今日一番の声を出して歌った。めちゃくちゃ楽しかったし格好良かった。
Saucy Dogは翌週のメトロックで聴くため、早めに退散。会場を出ると風こそ吹いていないものの、涼しい夜だった。