昔から太陽よりも月が好きだ。昼間よりも夜の方が元気。明るい陽射しよりも、静かな月明りの方が落ち着く。燦然と輝く太陽も素敵だけれど、ふと見上げた夜空に浮かぶ糸のような三日月の美しさに心を奪われる。そして音楽も、太陽を歌う明るい曲よりは、月を歌うしっとりとした曲に好みが多い。以下、タイトルに月が入っている好きな曲について。
・月の裏で会いましょう/野宮真貴
ORIGINAL LOVEの原曲が素晴らしいのは大前提で、曲のアレンジが本当に素敵。イントロから歌い出しは都会の夜景のなかを揺蕩うようなロマンチックな雰囲気。田島さんの色気溢れる歌声も良いけれど、野宮さんの歌声で優雅さと、どこかポップな雰囲気で軽やかさすら感じる仕上がりになっているのが面白い。木原さんの歌詞も最高で、今の時代にはちょっと見かけないような、素のままで全てが満ち足りていて、豊かな心から真っ直ぐに恋愛の喜びを歌ったようなロマンチックな詩がたまらない。野宮さんが様々な名曲をカバーした「野宮真貴、〜を歌う。」シリーズのなかでも一際似合っている。生で聴きたい。
・真昼の月/島谷ひとみ
アルバム「Heart&Symphony」が発売された当時はそこまでピンと来なかったけれど、気づいたらずっと聴いている曲。ふと青空を見上げた時に溶けかけた氷のように静かな白い月を見つけると「真昼の月」のイントロが頭に流れ出す。優しく暖かく穏やかな気持ちになれる一曲。島谷ひとみについてもそのうち記事を書きたい。
・Moon River/Audrey Hepburn
言わずと知れた名作映画「ティファニーで朝食を」の劇中歌。オードリーが窓辺で歌うシーンは勿論素敵だけれど、オープニングの一番有名なシーン(ティファニーのショーウインドウを眺めながらクロワッサンを食べる場面)で流れるインストver.も良い。ロマンチックな恋愛を鍋で煮詰めたような歌詞なのに、どこか素直さと素朴さもあって、メロディラインの美しさも相まって切なくも美しい名曲。月の明るい静かな夜にレコードで聴きたい。百年後、二百年後にも語り継がれる曲だと思う。
・MoonWalker/yama
yamaは「春を告げる」みたいな、夜や闇について歌うのが似合っている。落ち着いているけれど内側から激しい感情を感じさせる声質。以前フェスで歌声を聴いて所謂「口から音源」で驚いた。夜の野外で爆音でこの曲を歌ってほしい。
・Fly Me To The Moon/CLAIRE
誰が歌っても好きなので、この曲を知ったきっかけとしてCLAIREの名を。アレンジとしてもアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」ED ver.がしっくり来る。「Moon River」もこの曲も、何と言っても歌詞の美しさ!令和の音楽に耳が慣れているので、ともすれば単調でシンプルに聴こえがちな歌詞だけれど、だからこそ伝えたいことが、その美しさが胸に直接響く。名曲の一言。
・私はLUNA(ルナ)/亜蘭知子
天高くから聞こえる啓示のような「満…月…」の声で始まる、シティポップと中華っぽさとミックスされたような不思議な一曲。長調なんだけれど、音階がやや独特でクセになる。この時代の曲によく出てくる歌詞「ネオン」「摩天楼」…いいよね。亜蘭さんの美しく透明な声が、蜃気楼のように脳を駆け巡る。月をテーマに据えた曲の中でも異質で、同時にしっかりポップソングなので時々夢中で聴きたくなる。
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ICE「MOON CHILD」、TWICE「MOONLIGHT」「MOONLIGHT SUNRISE」などは以前語ったので割愛。他にも、曲名や歌詞に「月」が入っていて好きな曲は沢山あるはずなので、思いついたら追加していきたい。