昨日、NHKで4月から放送中のドラマ『虎に翼』について、「植民地民が公職に就くことはできなかったのに、就けていたことにしている」と指摘する投稿を見かけた。「はて? そんな描写はあっただろうか?」と思い、ドラマを見返してみた。しかし、そのような描写はなかった。そこで、そのことを投稿者に指摘したところ、投稿者は誤りを認めた。
『虎に翼』には、崔香淑という朝鮮半島からの留学生が出てくる。公式サイトによると、崔香淑は、「法律を学んだ兄の勧めで明律大学女子部に進学した」とある。崔香淑は主人公の寅子とともに、弁護士を目指している。しかし、ドラマは、まだ学生時代を描いているので、崔香淑は公職には就いていない。また、「法律を学んだ兄」と説明されている崔香淑の兄の職業は明らかになっていない。ちなみに、「日本統治下の朝鮮から来た『留学生」がいたことは、確か」と、ドラマの監修者は説明している。
上記のことを、投稿者に指摘すると、崔香淑の兄が弁護士だと(誤って)認識していたとのことだった。投稿者は、「朝ドラ過去作で植民地表象に失望したことから、先入観があり先走った解釈をしてしまいました」と、勘違いの理由を説明した。投稿者は、当該の投稿について訂正する旨の投稿をしたあと、当該の投稿を削除している。
『虎に翼』では、今後、崔香淑について、詳しく描かれるとみられる。どのように描かれるのか楽しみだ。なお、『虎に翼』の朝鮮学生については、大阪産業大学国際学科の崔誠姫准教授が考証に協力しているとのことである。
追伸:『虎に翼』については、他にも記事を書いているので、よろしければご覧ください。
【2024年4月22日追記】この件について説明する記事を投稿者が公開しました。