1998年に放送されたドラマ『GTO』が『GTOリバイバル』として、26年ぶりに復活した。『GTOリバイバル』では反町隆史演じる鬼塚英吉のセリフに時折、主題歌の『POISON』の歌詞が引用される。『POISON』の作詞は反町隆史だ。主演俳優が1998年に作詞した主題歌が、2024年のドラマのセリフに引用されているのだ。『GTOリバイバル』では、『POISON』がリバイバル・アレンジして使われた。しかし、歌詞はそのままだ。このことは、このドラマの主役である鬼塚英吉の本質が、26年を経た今も変わっていないことを示している。
『GTOリバイバル』には、暴露系インフルエンサーが登場する。前作の放送が1998年。その翌年の1999年に2ちゃんねるが開設された。Youtubeは2005年、Twitterは2006年に始まっている。インターネットやSNSのおかげで、今まで見えなかった声が見えるようになった。一方で、それらの声を抑圧するような声もあふれる。主題歌にもあるように、言いたいことが言えない世の中はPOISONだ。しかし、言いたいことを何でも言えてしまうSNSもまた、POISONである。そこで重要なのが、適切なモデレーションだ。だから反町隆史は、『Moderation』という曲を作るべきなのかもしれない。
『GTO』にそれほど思い入れはないのに、『POISON』の作詞が反町隆史自身だったことに気づいて、つい、こんな文章を書いてしまった。ところで、『POISON』のサブタイトルは「言いたいことも言えないこんな世の中は」なのに、歌詞では「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」になっているのは、なんでだろう。