挙児を先延ばす選択肢としての受精卵凍結

mznmku
·
公開:2024/6/24

検索すると、卵子凍結についての情報はたくさんヒットするが、受精卵凍結についてはあまり出てこない。

多分、子供を作る相手がまだ現れていないから卵子を凍結しておきたいという人は多いけど、既に決まった相手がいる状態にもかかわらず妊娠を先延ばしにしたいという状況の人はあまり多くないのだろう。需要が低くてあまり注目されていないのかも。

と思っていたのだが、先日とある集まりで話したら思いの外詳しく聞きたいと言ってもらえたので、ここでも書いてみようと思う。

この方法をとるためには満たすべき条件がいくつもあるため、全ての人に等しく勧められるものではないのだが、検討する選択肢を増やす一助となればと思う。

受精卵凍結とは

体外で卵子と精子を受精させ、受精卵にしたものを凍結する方法である。凍結させた受精卵はその後任意のタイミングで体内に戻し、妊娠することができる。

卵子凍結は卵子のまま凍結するので、受精の過程を経ずに凍結に至ることが、受精卵凍結との相違点である。

詳しくは実施している病院のHP等を見ていただくと正確かと思う。

受精卵凍結を実施した理由

受精卵凍結は多くの場合、不妊治療の一環として体外受精を行った際複数の受精卵ができるため、体内に戻した一個以外を、その後再度利用できるよう保存しておくために行われるらしい。しかし、作った受精卵全てを凍結して、体内に戻すタイミングを先送りにすることで、配偶子を加齢させずに子供を待つまでの時間を稼ぐために利用することもできる。

私の場合、結婚はしており挙児希望もあるが、キャリアの都合や経済的な面から、妊娠出産の準備が整うのが数年以上先になりそうなので、私と夫双方の加齢によるリスクを低減すべく、受精卵凍結という選択肢をとった。

卵子凍結でなく受精卵凍結を選んだ理由

予後が良い

卵子凍結では、保存した数のうち受精に至らないものが出てしまう可能性があるが、受精卵凍結の場合は受精まで進むことができたもののみ凍結するため、卵子のままで凍結するよりも多少効率が良くなる。そのため既に受精の相手が存在する場合は、卵子凍結よりも受精卵凍結が望ましいと考えられる。

経済的負担が軽い

卵子凍結は全額自費である。東京都では令和6年現在、一定の条件を満たした場合に助成を行っているが、それでも自己負担額はかなり大きいようである。

対して受精卵凍結は、保険適用となっている不妊治療の一過程であるため、3割負担で済む。自治体によってはそこから更に助成を受けられる。ただし保険適用や助成を受けるにあたり女性側の年齢や回数の制限に加え、ほとんどの病院で、治療を行いたい相手と法律婚ないし事実婚の状態にあることを証明させられるようなので、注意が必要だ。

このため、様々な理由で保険適用や助成、そもそも治療自体を受けられない人たちがいるであろうことは想像に難くない。

幸いにも私は当該の相手と法律婚ができていたため、進行はスムーズであった。これまでにも優遇を受けていた局面は多数あったと思うが、今回は特に分かりやすく自己負担額が変わるため、婚姻の優遇を強く実感する機会となった。早く是正してほしい。


実際の流れや所感等については別記事を作成予定である。

@mznmku
140字より少し長い