『映像研には手を出すな!』のアニメ監督をされていた湯浅氏のアニメ映画とのことで、いつか観なければと思っていたのでようやく今日アマプラで観た。
水彩と水墨くらいの色合いと線の描き方と、登場人物たちの喋り方や生活様式の描写がとにかく細かくてあまり和風アニメを観た経験がない自分には新鮮で、ワクワクした。序盤から三種の神器やや主人公的な子が盲目になり、琵琶法師になる展開や漫画の『どろろ』の百鬼丸を思い浮かべる風貌の「犬王」が出てきたりと盛り沢山だった。
ただ自分が楽しんでいたのもロック調の音楽が流れ始めるまでだった。橋の上で友魚がストリートライブを始めるところで、おぉなんか挑戦してるなーって感じで観ていたのだが、リアル寄りの顔アップ(綺麗な画面ではない)で構図もあまり変わらない映像が長く映っていたりでちょっとキツかった。20分アニメだと同じシーンを2回使いまわすのもわかるけど、90分の映画でそれやられると映像的には面白みがないと感じてしまった。
音に集中するにも変調とかあまりなかった?のか自分的には音楽も楽しめなかったなと。知識はないけどロック調の音楽は好きだし歌も上手だったと思うのだが、私には合わなかったんだろうな。
時代的にエレキギターなんか無いのになんで音が聴こえてくるの、とか放水式の消火技術もないところで炎ガンガン使ってるライブやったらまずいのではとかも思ったけどそこは置いといて...とあまり気にはならなかったけどやっぱり序盤の琵琶法師たちのシーンが普通に良かったので、日本楽器Verのロック音楽とかも聴いてみたいと思った。
犬王と最後のライブも照明とかこうやって演出しているよ、と電気機材ではないオリジナルの木製器具が使われているのとかアイディア凄いなぁって思って観ていた。
時代的にまぁそうなっちゃうよね、というラストで個人的にはすっきりとはせずにちょっと忘れたいなって感じです。