世界中が大混乱で「絶望しかねぇな」
と、思っていた頃に目の前に現れて
「俺、グループでやってるんだよね。みんないい奴でさ。」って教えてくれた。
5人が創り出すものは美しくてかっこよくて可愛くて力強くて、でもちょっと儚さもあって、見ていてとにかく楽しかった。
浴槽でひとり泣いてしまう夜を肯定してくれる、優しい人達。
完璧で究極なシンメトリーの陣形を直接見ることは叶わなかったけれど、画面を通して見るその光景にすごく勇気を貰った。
直接見られたのは1つピースの欠けた状態の彼らで、それでもこんなに圧倒されるんだから5人が揃ったらそれはもう誰にも止められない存在になるだろうな。いつまででも待とう。ずっと応援しながら待っていようと思っていた。それが2022年のクリスマス。
5人は4人になってしまったけど、盛大に卒業式をしてみんなで背中を押した。「いつまでも僕達は5人」と言ってくれて、寂しいけれど嬉しかった。それがリップサービスなんかじゃないことは様々な発信で伝わってくる。それで十分だ。でもこんな思いはこれっきりがいい。そう思いながら2023年を過ごした。
「大切なお知らせ」を読み進めながら“30歳”のワードが出てくるまで、まさか彼の言葉だとは思わなかった。1ミリもその可能性を考えなかったのは、彼がこれまで見せてくれた姿がとても信頼できる素晴らしいものだったからに他ならない。それって本当の本当にすごいことだと思う。
正直に言うと、メンバーにはなりふり構わず引き留めてほしかった。5人で表に出ることがなくなった彼らに、もう誰も欠けてほしくないと願うのはいちファンのただのわがままだ。彼らはアイドルである前に人間だ。わかっている。それぞれの夢や希望、人生がある。決断を下すまでに1番苦しんだのは彼ら自身なのだ。それでもそう思ってしまうのは、共に立っている彼らがだいすきだったからだ。
アイドルとしては成し得なかったことの方が多いグループだと思う。トンチキなグループ名に始まり、不仲や不遇の時代があって、メンバーの活動休止・引退。波瀾万丈過ぎてすごいよ本当に。完璧なのに不完全で未完成。大きく形を変えてしまうのならば、もうこのまま大切に閉じ込めてしまおうってことなのかな、とすら思う。
これからどんな道を彼らが歩むのか分からない。今までと違った形で見守ることになっていくんだろうと思うと、また寂しさが込み上げてくる。すきなことに変わりはないけど、ほんの少し「なんでだよ」の気持ちを抱えることを許してほしいなあと思う。
少し恥ずかしくて周りに言いにくかったグループ名、もっと口にすればよかったな。
「すきなアイドルがいてさ。5人組なんです。Sexy Zoneっていうんやけど。」