人生長くオタクとして生きてきて、周囲の人が結構ハマってるジャンルって印象だったマーベル作品。
スパイダーマンをファンの人はスパイディって言ってるけど、あれって何なの?くらいの知識しかなく。もっと言えば、昔ジャンプラであったデップーの漫画は(原作知らないけど)面白かったな……。うちの親が好んでX-MEN見てたな。
あれらもアメコミっぽいけど、マーベル作品?くらいのマジもんの微かな理解のままでいたんですよ。
入院した時に境ホラの小説もう一度読み直そうのノリで、時間があるときにいつかシリーズ見れればいいか~と思ってたら、似たようなミリも知らねえ感じの人を見つけてしまい同時視聴会で追うチャンスが来ちゃった。
せっかくなので感想でもつらつら残していきたいなと思ってます。
D+のオススメにかかれてた公開年順に見る予定です。
■ アイアンマン
公開年2008年という事実にびっくりした。
マーベルってもっと昔から連綿と受け継がれているアメコミの概念かと思ってたよ。
それは置いといて、月並みな感想なんですけど俺TUEEE系の夢と希望が詰まった作品だったな。
イケメン、天才、億万長者、プレイボーイ。
トニー・スタークもそうである自分を自覚していて、だからこそ開幕にドヤ顔で何人も抱いたぜ的な会話をしているんだと思う。
でもそんな人でも一時は挫折して、サバイバーズギルドが植えつけられ。
自分が開発してきた兵器がどんな風につかわれているか向き合い。
一連の事象の原因と戦い、勝利して世論に向けて自分がヒーローであると公言する。
このさ~自己と向き合った後に、周囲にでも俺がヒーローなんだ!って高らかに宣言できるのがアイアンマンのつえー所だよね。
あと、天才ゆえの孤独(というかトニースターク単体の能力が高すぎて周囲がついていけないわ!ってなる)みたいな描写ちょっとあったけど。
それでも中佐であったり、ペッパーみたいな人が彼らなりのやり方と信頼でトニー・スタークと向き合ってくれるので真実孤独ではないのだなってところが大変良かったです。
特にアイアンマンがそうなった動機になった博士(たいへん、もう名前を忘れている)
あの人がとにかく優しい嘘つきだったのが良かったな。
なんやかんや、あの絶望的な状況でトニー・スタークに前を向かせるためかわからないけど、とうに喪っているのに家族の元に帰るんだと伝えたり。もしかしたら墓参りとか家族と過ごした土地に帰るんだのニュアンスかもしれないけど、それでも最後まで他者を思いやる事を貫いていたのが好感持てた。
向こうが天才トニー・スタークの事を覚えていて、トニーが彼を忘れていたのに共に過ごすうちに名前を呼ぶ程度に関係を築いて。最後には、きっと忘れられない存在に昇華されたのも綺麗なストーリーだったな。
胸の機械も、最初の交換のときにペッパーに捨てて良い!って言う割に、ペッパーがそれを「彼にも心があるの」と遺した事で最後役に立ってるところがね。
誰かがトニーに向けた心が、トニーの心(物理)になってるという。君の応援、サポートが俺の力さ!ピンチの時に立ち上がる圧倒的アメリカンヒーロー!の原理に近いと感じてにっこりでした。
まあ、あの博士については家族の話した時点で死亡フラグだったんですけどねーーー。
あと、個人的にはロボットアーム君が可愛くて萌えました。
■ インクレディブル・ハルク
うーーん、個人的にはおもしれー!とはならなかったな。
ハルクが望まぬ形で力を手に入れて、その力に飲まれるか人としての理性でその力をふるうのか。
愛する恋人と向き合うにあたり、ハルクとしての自分をどう飲み込むのか……みたいな悲哀あるストーリーだとは思うんだけど、なんといか感情移入するほどのエピソードがなかった気がして……。
「怪物」でも愛する人の為に善き力を振るえます。
「怪物」になった原因が愛する人でも、愛ゆえに乗り越えられるんです。
という割に、その愛する女がな……。
主人公が怪物になって行方不明になったら精神科医と付き合い初めて、その男と連れ立って主人公と一緒に世話になってた場所に飯食いに行って。
そこで逃げ隠れしてる主人公と再会したと思ったら、精神科医の彼氏捨てて主人公と逃避行&ベッドインですよ。
更にはそのヒロインの親父がハルクの事を狙っている敵組織になるわけなんですけど、それまでなんですよね。
実際最後に戦う怪物も、ハルクのお陰で得た力におぼれてさらなる力を求めていただけで。あくまでもハルクは周囲に利用される悲しき怪獣であり、愛する女性とは「美女と野獣」的な役割をこなす、古典的な存在ではあるんだけどカタルシスが足りねえ~~となりました。
というか精神科医があまりにもかわいそうすぎるよ……。
戦闘も両方が力ある巨人のバトルという事で凄い脳筋で大味だった気がしてる。アイアンマンのあとにこれ見たのが悪いかもしれない。
ここまで否定的な話ばかり書いたけど、それでも主人公の周辺の優しい人たちの善性はしっかり光ってたのでそこは良かったな。
主人公はもとから心優しい青年で、最後には周りの人間に迷惑をかけないように人から隔離された土地で暮らしながら。ヒロインが自分の為に質に入れてくれた親族の形見を取り返し、返そうとする。
ヒロインも、男のスワップについては正直腑に落ちないけど大事な形見を質に入れてもハルクを支えようとしていたし。最後まで彼の身の安全を案じて、強い怪物だから大丈夫!などと役割を押し付けようとはしない。
そしてヒロインと付き合っていた精神科医も、彼女が前彼と逃亡したからって嫉妬に狂って敵役になったりはしない。愛しているから心配して通報した、ような事を言っていた記憶がある通り、あくまで彼女を心配していて。だからこそ、おそらくここでもう縁が切れるはず=そこまでおせっかいを焼く必要はない彼女の父親とバチバチやりあう程度には思いやりを持ち合わせている。
でもそれを差し引いてもな~あの中和してくれた教授?ブルーがどうなったの?とか、最後にとどめを刺そうとしてヒロインにとめられた敵がどうなったかとかぜーんぶ丸投げだし。
そもそも物語も主人公の自主性が働いたのって中和されたハルク化を諦めたとか、ヒロインに会いに行ったとかくらいで。基本重要なストーリー展開がロス将軍のやらかしばっかり。主人公側はその影響受けて動いていたというか、ぶっちゃけ尻ぬぐいっすよね。
主人公の吹き替えの人の演技も棒読み感あったし。
モンスターになった青年の悲哀の話とするにも、アクション作品として見るにも、恋愛物にも、古典的な怪物の話とするにもなんか物足りなかったなあと。