04/12(金) 入院12日目

いしかわ
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来週月曜日に手術を控えているため、朝起きて30分後くらいに採血される。午前中にレントゲンを撮りに行った後、下半身だけシャワーを浴びる。シャワーを浴びるのは入院して初めてである。ドレーンが入っているので上半身は浴びられないのだが、清拭では落としきれない汚れも落とせてだいぶリフレッシュできた。

今日は手術前最後の平日ということでいろいろな人から説明を受けた一日だった。まずは麻酔科の先生。全身麻酔の説明と起こりうる合併症などについて説明された。全身麻酔をしている間は人工呼吸器が付けられ、気胸になっていない右側の肺だけで呼吸できるようにするとのこと。人工呼吸器は喉に管を通すのだが、それが声帯を長時間圧迫するために術後に喉の痛みや声がかすれる嗄声(させい)が現れる場合があるとのことだった。多くの場合は一週間程度で回復するようだ。

午後一番は呼吸器外科の先生。入院2日目に救急病棟にいるときにもお会いした先生で、一般病棟へ転床してからも何回か様子を見に来てくれていた気さくそうな先生である。病棟の処置室で現状や手術内容についての説明を受ける。これまでに撮られたレントゲンやCTの画像を見せてくれ、ドレーン挿入からクランプテスト・抜去後の再発の経過を説明してもらった。CTの画像を見る限りでは肺の一番上側にあたる肺尖部にブラ(風船状になった肺の部分)があり、それが今回の気胸の原因そうとのこと。クランプテストで肺が萎まなかったのは、ブラが胸腔の壁で一時的にふたをされたような状態になったからではないかということも言っていて納得した。手術内容は脇腹に1〜2cmほどの穴を3つ開けて行う胸腔鏡手術で、麻酔などの準備も含めて2時間程度である。具体的な数字を挙げて、諸々のリスクも確率としては低いものであると説明されて安心した。他にも万一の際の輸血の説明や血液製剤についての説明も受けた。手術では自動縫合機と呼ばれるホッチキスの親玉的な機械を使うそうで、そのプロトタイプは1910年代にはあったというような話もしてくれた。大学の先生と話している感じがあって面白かった。

病室に戻っていくつかの同意書にサインをした後で、説明に同席していた呼吸器外科の先生が改めてドレーンの傷を確認しに来たり、手術担当専門の看護師さんがやってきて当日の流れなどの説明をしてくれたりした。手術担当の看護師さん曰く手術室では好きな曲をかけられるそうで、何がいいですかと聞かれたので星野源でお願いしますと伝えた。

朝は風が吹いていたようで、巻き上げられた桜の花びらが空をチラチラ舞っていて綺麗だった。今週の星野源のオールナイトニッポンをタイムフリーで聞いていたら、「病室の窓から見る桜は切ないというか独特」というようなことを話していた。自分がいる病室からも桜が少しだけ見え、数日前に同じようなことを思っていたのでいたく共感した。


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