Goldmund THA2(6)導入

Goldmundのヘッドホンアンプに憧れたのは、ヘッドホン祭で実際に音を聴く前からだったと思う。2009年のSennheiser HD800の登場でヘッドホン関連の高価格化が進んでいたとはいえ、当時のヘッドホンアンプは高くても30万円台が主流で、DACもよほどの酔狂でもない限りせいぜい10万~30万のミドルクラス止まりだったと記憶している。(それ以上のDACはヘッドホンにはオーバースペックと言われていた。)

そこへGoldmundがハイエンドオーディオメーカーとして初めてヘッドホンアンプTelos Headphone Ampliphireを投入してきた。価格は150万円だ。時間軸を補正するというプロテウス・レオナルド回路やメカニカルグランディングなど、スピーカーオーディオの分野で培われてきた技術が投入され、ハイエンドのDACやパワーアンプの回路をヘッドホン用に最適化し落とし込むなど、内容もその圧倒的な価格に見合うような、ガレージメーカーとは一線を画したものとなっていた。

その後わずか1年程でモデルチェンジされ価格は200万円に。「ヘッドフォンを今までに感じたことのない次元へと引き上げる究極のヘッドホン専用プログラム」という触れ込みのジークフリートリンキッシュモードを搭載した。

THA2発表の1年後の2016年にヘッドホン祭で聴いて衝撃を受けた。ヘッドホンでの前方定位を長年目指してきた自分にとっては、これを手に入れればゴールだと思った。極限まで無駄を省いた精悍なたたずまいも好みだ。(金のプレートは無駄かもしれないが笑)

かくして2年後の2018年に満を持して導入した。

定価2,178,000円。2016年秋のヘッドホン祭では展示品が130万円で売られていた。2018年春のヘッドホン祭に狙いを定め、イベント特価を確認したが、198万円。これを価格交渉で167万円にしてもらった。この少し前にオークションで80万円台で落札されているのを後から知ってすごく悔やんだが、今はこれでよかったと思っている。