ポータブルプレイヤーではなくPCで音楽を聴くようになった頃、大型のヘッドホンがほしくなった。最初はヘッドホンアンプを伴う大掛かりなシステムを避けたくて、ポータブルヘッドホンであるATH-ESW9を選んだ。こいつを選んだということは、この頃からまろやかな音が自分の好みであると認識し始めたのだろう。
実売価格は当時2万円弱だった。ヘッドパッドは合皮だが、イヤーパッドは本革である。10年以上経ってヘッドパッドはボロボロだが、イヤーパッドは健在だ。耳乗せ型だからというのもあるかもしれないが、メンテナンスなんかしなくても10年以上使える。
適切なメンテナンスをすれば半永久的に使用できる。むしろ中のクッションの劣化のほうが先に来る可能性もある。これが元々本革の製品に対して持っていたイメージだが、このヘッドホンのパッドはそのイメージ通りだ。
使っていたのは随分前なので音の印象はあまり覚えていないが、音場は広くはなかったと思う。後々音場が広いと言われるヘッドホンを導入することになったのはそこの不満もあったのかもしれない。耳乗せ型なのでしばらく装着していると耳が痛くなったのはよく覚えている。