芸能人格付けチェックはやらせなのか

ご存知、100万円のワインと5000円のワインをブラインドで飲ませて間違った芸能人をバカにする番組である。 

GACKTが連勝記録を重ねており、やらせではないかとまことしやかに語られている。 

私はこの番組の裏側はよく分からないし興味もないが、もし裏事情を知ったうえで言っているのではなく、こんなに正解できるわけがないと思ってやらせだと断じているとしたら、それはあなたが三流だからでしょ?と言わざるをえない。 

私が見た感じ、金と時間を使って真摯に勉強し、常に自らの感性や知見をアップデートしている人であれば、連勝も十分に可能なレベルの問題だ。YOSHIKIは分からないが少なくともGACKTに関しては、言ってることが嘘でなければほんとに連勝してもおかしくないと思う。 嘘だったら知らん。

スポーツでも趣味でもひとつの分野を極めようとした人は分かると思うが、一流の人間にとって一流と二流の差は歴然なのだ。一流のソムリエはテイスティングなどできて当たり前。オーケストラの指揮者は数十もの楽器の演奏を同時に聴き分ける。プロの料理人は隠し味を的確に言い当てる。そして、プロを超える素人は表に出てこないだけで確かに存在する。プロと学生の演奏を聴き分けられる程度でやらせなどとは、芸術に対して失礼だろう。 

だが愚かな者ほど自分の理解の及ばない現象(違い)は存在しないのだと思いたがる。オーディオの世界には、PCに保存されている音楽データのファイル名を書き換えることによる音の劣化をブラインドで聴き当てて指摘する超人もいる(ソニーの伝説的エンジニア故かないまる先生のことだ)というのに、測定上も違いがある事象に対して人間の耳では違いが分からないと断言する者が後を絶たない。 

これは現実の複雑さへの無理解と、人間の理性の限界を弁える謙虚さの欠如からくるものだ。こんな考え方ではそもそもまともな生き方はできないし、人生つまらないだろう。

テレビが捏造改ざんなんでもありなのは承知しているが、格付けチェックは果たしてどちらだろうね。