head fiを見ていると、MSB Premier Headphone AmpやDinamic Headphone Ampの話題はほとんど見つからない。高価すぎるからかと思ったがどうやらそうではないらしい。今話題のWoo AudioのWA23は9000ドルだし、Riviera AIC-10は発売当初で15000ドル、現在のバランスモデルの国際価格はよくわからないが、日本円で370万円とDinamic Headphone Ampよりも高い。これらは掲示板の専用スレで盛り上がっている。head fiでPremier DACのレビューを上げている人のアンプはAIC-10である。
日本ではハイエンダーほど性能重視な印象がある。ヘッドホン祭のDVASブースにやってくるハイエンダーのほとんどはUtopiaを持ってきていたとブログで言及されているし、Premier Headphone Ampなど高価だがまあまあ見かける。
それに対して海外では日本よりも音の厚みや豊かさ、midの甘さだの魔法だの言ってるが、そういうのと性能との両立を重視する意見が多いように見える。真空管アンプもこの中域の甘みを出すためというのと、そのロマン溢れる佇まいで人気を博してるようだ。Utopiaも、細部まで描写するがsoulやemotionが欠けているという意見がそれなりにあり、当代最強の称号をほしいままにしている日本とはちょっと事情が違う感じ。
私の好みもそういう海外の人たちに近いんじゃなかろうかとは思う。Utopiaのような高性能のヘッドホンを導入したら、アンプは太い音のがほしくなりそう。WA23の奇抜な見た目は勘弁してくれという感じだが音は好みに合いそうだし、ZMF Aegisなんか見た目最高だ。
しかしこれからの時代に真空管アンプを運用するのはかなりの覚悟がいりそう。まず真空管自体がべらぼうに高い。音関係なく安いのを選んでも、Aegisの真空管一式で2万5千円くらいか。300B管なんか使ってたらもっとかかるだろう。しかも真空管アンプも電源投入後1時間より半日くらい経った方が音がいいときた。毎回十分な暖気をしてたら真空管の寿命を湯水のように消費する羽目になりそうだ。
Riviera AIC-10は真空管ひとつだけだし、あまり筐体は熱くならないらしい。性能は確保しつつ濃厚な音というのもよい。見た目もなんかずっと見てたらかっこよく感じてきた。だがそういうのに限って370万円である。100万くらいなら真剣に検討したかもしれないが、流石にこの値段ならPremier Headphone Ampあたりにいきたくなる。
そういうわけで、真空管じゃなくても太くて濃厚な音のアンプってないだろうかと思うのだが、海外でそういうのが好きそうな人はみんな真空管にいっちゃってるようだから悩ましい。