語り損ねた小話

naconodays58
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 利用し始めたSNSのタイムラインで、盛り上がっている話題に乗りたくなってしまう。でも上手い具合に自分の話が出てこなくて、結局乗り遅れてしまうことも少なくない(操作に慣れていなかったのも理由だろうが)。

 そんな訳で、その時出来なかった話をここでしてみよう。「創作友達」と「好きなお酒」について。

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 私の場合創作に限定せず、友達というものがいた記憶がない。距離が近くよく一緒にいた子は数人いたと思うけれど、友達って言っていいのか分からない。そもそもかつての私は、創作を誰かとやる発想がなかった。周りの人間は、書いた小説を見せびらかす(!)相手ではあったけれど、一緒にやる相手ではなかった(前提として別に仲良くなかったけれど)。

 高校で文芸部に入ったけれど、私にとっては仲間というより「競争相手」の印象が強かった。皆で作品を県のコンクールに出すことになっていたから、否が応でも自分の部内の位置が分かってしまう。更に、同学年にめちゃくちゃ結果を出している子がいたので、余計そう思ったのかもしれない。

 だから「創作友達」を意識したのは、ネットの世界に飛び込んでからだと思う。最初は二次創作のコミュニティから始まり、小説投稿サイトへと広がり、作品やそれ以外のことについても語れる、繋がっていると感じる存在が出来ていった。

 現実では人間関係を煩わしく思うことの方が多いのだけれど、そういう繋がりはむしろ心地良かった。始まりが始まり故、程良くゆるい繋がりだったからだと思う。

 結局活動場所の変遷などで疎遠になった人が多いのだけれど、今でもその時々のことは大切な時間だったと思っている。

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 飲酒出来る年齢になって10年以上経つが、好きなお酒はあまり変わっていないと思う。カクテルや果実酒が好きだ。

 正確には「好きなお酒」というより「飲めるお酒」なのだが。

 20歳になるまで、お酒全般に憧れてはいた。それまで店にディスプレイされていたり、漫画の中で取り上げられたりするのを見るだけだった存在を、実際に手に取れる……それだけで楽しみだった。(当然ながら)一度も口にしたことがない、現実を知らないのをいいことに、妙な憧れだけが膨れ上がった。

 そして20歳……ビールやワインは苦いし、取り上げられていたお酒はとんでもない値段や度数だしで、現実はそんなものだった。しかも私自身、そこまで酒が強くないと知ってしまう。

 そんな私が飲めるお酒は、フルーツ系の缶カクテルや缶酎ハイ(サワー)位しかなかった。それでも、「ちょっと贅沢なジュース」気分で楽しかったけれど。それに慣れると、果実ベースのお酒にも手を出し、少しずつ世界は広がっていた。

 更に時が流れて、今では大分「飲めるお酒」は増えた。でもやっぱり、「好きなお酒」をついつい頼んでしまう。やっぱり、最初の方に刻まれた感覚が残っているのだろう。単純に、元々の好みかもしれないけれど。

 実際今日も退勤後の酒場で、グレープフルーツサワーに決めたところだ。

@naconodays58
思いついたこと、語ってみたいことを文章にしていけたらと思います。 *プロフィール画像はななめーかー様で作成した物です