五年生か六年生のとき、遠足で町の山に登った。標高300メートルもない丘みたいな山で、そのときのことを作文に書く授業があった。なぜかわからないが、山頂に着くまでの道のりについて書いた。その原稿用紙はもうないけれど、最後の一文は、はっきり覚えている。「頂上が見えてきた」だ。途中経過を題材にするという趣向が先生の目に留まったのだろうか?褒められたと記憶している。昔のことはあまり覚えていないけれど、これだけは。自分でもよく書けたと満足した気がするし。いい思い出ということにしておこう。川名海至詩を書く人のひとりごと。おいしいコーヒーが好き。