今月は本よりも雑誌を読もう(そして処分しよう)と決めて、ふだんよりもずっと多くの雑誌を読み、処分した。やろうと思えばできるのだ...
一番なんとかしなければならないのは定期購読までしていたANAの機内誌「翼の王国」。それだけで山、というよりも山脈ができているので、てきとうな山の上から数冊ずつ持ってきては、ずんずん読む。たまたま、2019年から2021年に発行されたもの。吉田修一さんの連載エッセイが、正確ではないが(その回はネコの歯が悪くて入退院させた話だったので)「来年は穏やかに暮らせますように」というような〆になっていた。ほとんど定型文みたいなものだろう。しかしそれは2019年12月号で、まさかその数か月後、人間もネコも穏やかとは対極の状況に放り込まれるとは誰も思っていないよな、と2024年のいま思う。
そこからふと思い出した別の雑誌の話。
2年ほど前、やはり処分するため、いわゆる暮らし系のある雑誌を読み返していたら、東電の原発の広告が見開きで入っていた。原発はクリーンで安全なエネルギーというような内容のテキストと若手社員たちの笑顔の写真。それは2011年3月号だった(発行は1月)。吉田さんのエッセイの場合と同じような話とはとてもいえないが。