ここ最近、雨 / 雨が降りそう / 曇りのどれか、という感じの天気が続いていた(いま調べてみると16日以降ほぼ毎日傘のマークがついていた)のが、今日は朝から、戸惑うほどの晴れ。
行動については左右されるものの、天気は感情にあまり影響しない(雨だから気分が落ち込む、とか)と思っていたのに、湿っぽい日が続いたせいか、この好天に外出しないなんて、と小倉へ。ちょうど月に一度の卵の量り売りの日だ。
とはいえ、卵を持ってうろうろする勇気はない。使い始めれば割ることはほとんどないのに、買ってから家に帰りつくまでの間に何度うつわを割ったことか。ましてや卵、食べ物を損なうのは絶対に避けたい。卵の入ったバッグをけっしてぶつけないよう、人々のあいだをすり抜けるように駅に向かう...せっかくの初夏のようなさわやかな空の下、わざわざ緊張しに出かけたようなもの。
「せっかく」と「わざわざ」で思い出したこと。高校の卒業シーズン前に化粧品メーカーが無料でメイクの指南をしてくれるというのは、さすがにもう昔話だろうか。あるいは札幌だったのかもしれないけれど、とにかく私は友達と一緒に、札幌の繁華街のどこかで資生堂の美容部員のレクチャーを受けた。終わると、きれいなお姉さんは「これからどこか行くの?」と聞いた。私たちはそのあと映画に行くことにしていたのでそう答えると、せっかくきれいにしたのに暗いところに、と笑われた。私たちも、わざわざ顔が見えなくなるところに行くなんてねと笑ってしまったと思う。
でも、(自分なりに)きれいにすることと、それが見えないようなところに行くことは、関係があるのだろうか。そのときも、じゃあ映画はやめて街歩きでも、とはならなかった。30年以上たっても忘れない、このひっかかりは何だろう。
そして残念ながら、「せっかく」メイクして見に行った映画のタイトルは、まったく覚えていない。