春に苗を買って鉢に植えてあった大和当帰が枯れてしまった。管理自体はそう悪くはなかったはずなので、やはり夏の異常ともいえる暑さにやられてしまったか。ここ数年の夏の暑さはマジでヤバい。
それはそれとして、さつまいもの栽培が終わったので、またプランターで秋冬の作物を育てることにした。何かしら穫れればいいなというのもあるが、庭にデカいプランターを置いておくことでそのあたりに雑草が生えないというメリットがあった。畑や野菜プランター、鉢植えがいくつかあるにはあるものの、物干し竿を置いていないため、庭にはまあまあのスペースが空いている。その分雑草が生えると草むしりが面倒くさいのだ。
去年植えたのは小かぶだった。間引きをいつすればいいのかわからなかったりして大成功とは言い切れないが、それでも多少は収穫を楽しめた。春には花もたくさん咲いて、それはそれでよかったと思う。
葉物は虫に食われやすいからなぁ、と迷っていたが、ふと気付く。
キク科は虫がつきにくいな?
そんなわけで、春菊に決定した。そうと決めたらさっさとやっちまおう。私はホームセンターに種を買いに行った。
育てやすそうな品種の種を選び、レジに向かおうとすると、ある商品棚が目についた。
春夏に咲かせる花の球根コーナーである。
大和当帰が去った鉢に何か植えるのもいいなと思い、見てみる。チューリップとか可愛い。水仙も素敵だ。百合も捨てがたい。でも、球根はネット入りでたくさん入っている。鉢は一つなので、こんなにいっぱいいらない。
お花、いいな~……と、視線を移動させると、華やかなパッケージが並ぶ中、少しだけ雰囲気の違う存在を見つけた。
クロユリである。
クロユリ。
クロユリって、あの!?
花言葉がおっかないことで有名な、あの!?
衝撃だった。クロユリの球根、売ってるんだ!?
なになに……と手に取って見てみると、球根はさほど大きくはないものが二つ入り。五センチくらい間をあければいいらしい――あの鉢でもイケるな。
そうして私は、春菊の種と、クロユリの球根を手に、レジへと向かったのである。
その後食料を買って帰宅、洗濯をして一休みしてから、クロユリと春菊を植えた。
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両方「いい」育ちを期待する。
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ちゃんと咲いてくれたらいいな。