家のタッチキーのリモコンの電池が切れた。乾電池方式のドアの電池を先日交換したばかりだったので、「そうかそんな頃合いか」と納得した。大体一年前後でリモコンキーもドアも毎年電池交換している。
リモコンキーの電池はボタン電池だ。夏頃に別件でボタン電池を買っていたので、型が同じじゃないか確認したら、ものの見事に違っていた。CR20系はそろそろサイズ統一してくれてもいいんじゃないか。無理か。
買いに行かなきゃなぁ、と諦めてリモコンキーをケースに収めようとしたとき、ふと、とあることに気付いた。
キーケースが古い。
基本的にバッグに入れっぱなしなので、汚れているというわけではない。が、経年劣化で黄ばんでいるのである。10年も使っているのであれば、さもあろう。きれいなライトブルーの革の塗装もヒビが入り、少し剥げている。
「新しいの買えば?」
横から見た配偶者が言った。彼は確か二、三年前に買い換えている。プライベートで使うバッグと通勤時に使う鞄とで頻繁に出し入れをしていたので、私のものよりも劣化が早かったのだ。
「今使ってるの、どこで買ったんです?」
「楽天やったかなぁ。店は忘れた」
同じものを買っておけばまず間違いないと思っていたが、アテが外れた。彼はプライベートでのメールの管理を全くしておらず、十万通以上ボックスに溜めているような男だ。購入履歴なんて面倒臭がって見てくれないに決まっている。
仕方がないので、自分で地道に探すことにした。
本当は今使っているのと同じものがよかったのだが、配偶者曰くもう売っていないという。まぁ、購入したのが十年も前であるから、そういうこともあるだろう。
今のキーケースと定規を手元に置いて、私はオンラインモールを覗いた。が、同じようなデザインのものは見つからない。どうしても一回り大きい。小銭入れと一緒になっていたり、普通の金属製の鍵と一緒に入れられるようなデザインのものばかりだ。小銭入れはともかく、何故リモコンと鍵を一緒に保管するデザインにするのか、私は理解できない。「どちらか紛失してしまっても手元にあるのを使えばいい」というシステムが安心できるのに、一緒にしておいて『それ』をなくしてしまえば『おしまい』ではないか。
探し始めて二時間ほど経って、ようやく「少し大きいけどこのくらいなら許容範囲か」というものを見つけた。とりあえず買い物カゴに入れる。購入決定ボタンはまだ押さない。数日でボロボロに朽ちてしまうわけでもないし、ポイントが増える日がもうすぐ来るから、別の買いたいもの(冷蔵庫の自動製氷機のフィルター)と一緒に買おうと思った次第である。
「よさそうなもの」を探して買う買い物は大変だ。ネットショッピングともなると、実物を見られない分尚更である。
しかしなんとか探し当てて届いたものが「いいもの」だったときの喜びも、またひとしおなのである。
私はその「喜び」が結構好きだ。