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SW北陸・関西旅行記録(1)

久遠なな
·
公開:2026/9/26

 仕事が本当に本当に本当に嫌になったので、シルバーウィークに大連休を錬成し旅行することにした。

 前半は蓮ノ空詩歌同好会による吟行も兼ねているため、何か共同の記録などに旅程をまとめることも考えたのだが……紙面などの関係上そちらに挙げられないことも多く、また吟行が絡まない後半の内容を入れることもできず、かといって旅の中で見たものや感じたことを残さず自分の中でだけで風化させていくのも勿体無い気がしてしまい……。

 というわけで、最近長らく動かしていなかったこの場所に、できる限り旅の記録を残していくことにする。

 日程が長く全てまとめるのには時間がかかる上、連休が終わればまた仕事・プライベート共に激務が始まるため、中途半端なところで途切れる可能性がある点にはご留意いただきたい。

はじめに:全体の旅程

9/18〜21 詩歌同好会メンバーで吟行@石川(前泊・後泊含む)

9/22 大阪にて関西圏に住む大学の先輩と会う

9/23〜25 敦賀を中心に一人旅

9/26 福岡へ帰省

9/27 大学同期の結婚式に参列

9/28 東京に帰宅

 改めてまとめるとなんていかついスケジュールなんだ……。

9/17深夜:最悪の気分で荷造り

労働は悪

 当初の予定では日付が変わるまでに荷造りを終えて寝るつもりだった。午後7時ごろに定時で仕事を上がって、職場から約2時間かけて帰宅。午後9時から荷造りを始めて、3時間後の0時には作業を落ち着かせて就寝。洗濯や事前準備の関係上前日までに荷造りを済ませることはできなかったので、これがベストな動きだった。

 実際はどうだったか。残業に残業が重なり午後10時退社である。舐めてんのか。ただでさえギリギリで回しているところに追加タスクが大量カットインし、連休中の引き継ぎもしているとこの時間になってしまった。

 確かに私は仕事ができる方ではないが、それにしたってこの仕打ちはないでしょう。悪態をつきながら帰り、荷造りし、結局午前3時半の就寝に。この後旅の中でリフレッシュする過程で、私は今の現場を辞める覚悟を決めることになる。良し悪し云々ではなく相性が絶望的に悪い。

荷造りパズル

 本題の準備も想定通りにいかない。Switch2と早押しボタンが場所を取りすぎ、どちらか一方しか持って行けないことになってしまった。(どうして旅行に早押しボタンが必要なんですか??)ボードゲームも当初想定していたものが全然ケースに入らず、泣く泣く量をさらに削ることに。

 試行錯誤をしながら荷造りパズルを解き続け、なんとか全ての荷物がキャリーケースに収まるように。ほぼ間違いなく帰宅までに何かしら無くなっている気しかせず、震えながらシャワーを浴び就寝。

9/18早朝:寝不足スタート、旅の前にやるべきことをやる

起床、準備、出発

 8時起床。死ぬほど眠い。

 こういう「①早朝起床」「②出発時間が決まっている」「③忘れ物や対応漏れがあるとマズいことになる」の3条件が重なる時は前日に「朝起きたらやるべきことリスト」を作るようにしていて、今回も眠い目を擦りながら前日作ったそれをもとに準備を進めていく。お陰で寝起きの鈍い動きでもテンポ良く準備を進められ、ほぼ予定時刻の8時半過ぎに家を出ることができた。

 吟行は最大11人が一度に動くため、トラブルをできる限り避けるため全員が行動を共有するためのチャンネルを作っていた。無事家を出た連絡も忘れずに記載する。

 まあ、書くチャンネル間違えてたんですけどね。

 何しとんねんマジで。

旅に出る前にやるべきこと

 新幹線が待つ東京駅に向かう前に、やるべきことを成すためにヤマト運輸の営業所へ。東京から送らなければならない荷物が2つあったのだ。

 1つは結婚式用のスーツ。連休終盤に大学同期の結婚式が控えているが、10日程の長旅の間スーツ一式を持ち運ぶのはかなり現実的ではなくリスクも大きいため、結婚式関連の荷物は事前に福岡の実家へ送ることに。

 もう1つは卒業記念合同の参加者募集チラシ。

 9/21の僕ラブ51に向けて企画の参加者募集チラシを配布予定だったが、吟行の予定とダダ被りし参加が難しいため、他の方へ配布等の対応を依頼することに。ただ勿論印刷まではこちらでやる必要があったため、当日指揮を依頼する方のサークルに事前に送付する必要があった。

 前日までに必死に宅配搬入の手順を調べ、その通りに実施。当日無事に届いていたようで死ぬほど安心した。今まで印刷所から直接会場に送ってもらうばかりで自宅からの宅配搬入は初めてだったので、そういう意味でもいい経験になった。

 チラシ配布後に参加を決めてくださった方もそれなりにいそうで、本当にありがたい限り。旅が終わったら企画の方もバリバリ進めていかなければ。……うん。やっぱ仕事変えよう。

 営業所に向かいながら、かすかに香る金木犀の匂いに秋の足音を感じる。無事に2つの荷物を送り届けて、いざ、金沢へ。

9/18朝①:グリーン車は東京駅に間に合うのか

 新幹線に乗るため、吉祥寺駅から中央線で東京駅に向かう。

 今回の旅で決めていたことの1つとして、「行き帰りの中央線はためらわずにグリーン車を使う」というものがある。過去にも帰省帰りや即売会帰りに使ったことがあるのだが、とにかく楽なのだ。特に荷物が重い時は、人が多いと座れたとしても精神を消耗するので、常に余裕がありかつ自身のスペースが確保されているグリーン車は本当に助かるのだ。

 というわけで旅行に向け荷物が多い今回もグリーン車を選択。幸い仕事でたくさん出社してるお陰でグリーン券交換用のポイントはたくさん余ってるしね!カスがよぉ……。

 案の定快適ではあったけど、初めての発見として平日朝のグリーン車はめちゃくちゃ人が多い。どうやら出社・出張にグリーン車を使っているサラリーマンが一定数いるらしい。まあでも分かる、朝も早よから満員電車で体力消耗したくないもんね。

 あと、荷物が大きすぎるとグリーン席だとかえって辛い。荷物を置くスペースがないのだ。通常車両だとパンパンなのでグリーン車の方がいいのは間違いないけれど、もしかしたら立ちの方がいいかも。

 そんなことを思いながら、新宿で大量に降りるサラリーマンたちを見送り、東京へと向かう。

 残念ながら、人生そんな順調にはいかない。

 新宿駅で非常停止ボタンが押され、発車が遅延。「これ新幹線間に合う……?」という不安が膨らんでいく。勘弁してくれ、今回すっげぇ奮発したんだぞ。遅延で乗り遅れたら補填してもらえるんだろうな……?

 幸いにも3分ほどで解決し、十分新幹線に間に合いそうな時間で新宿駅を出発。線路に人が落ちてしまい救護に当たっていたらしい。駅員さんたちの迅速で的確な行動に感謝しつつ、改めて東京駅へ。

9/18朝②:グランクラスはやりすぎ

旅の始まりは最高のものであるべきである

 乗り換えも問題なく成功し、東京駅から金沢へ向かう北陸新幹線に乗り込む。

 仕事で本当に限界を迎えていた私は、回りきっていない頭でかなり思い切った選択をしていた。それは、金沢行きの新幹線を、グリーン車よりさらにグレードの高い「グランクラス」にすること。 

  東北新幹線と北陸新幹線にのみ存在するグランクラス。1回の運行につき18席しかない、まさに新幹線のファーストクラス。荒んだ心を癒し十全に旅行を楽しむにはこうするしかなかったのだ。社会が生んだこの悲しいモンスターをどうか許してほしい。

グランクラス、やばい

 そうして乗り込んだグランクラス。こいつがやばい。

 まず席がやばい。ふかふかすぎる。人生でこんなにいい椅子に座ったことなんてない気がする。無限に足を伸ばせるし、ビビるほど背もたれを倒しても誰にも迷惑がかからない。新幹線でそんなこと許されていいのか?あと背もたれと足部分だけならともかく、座面の角度まで調整できる椅子は流石に今まで一度も見たことがないんですけど?????

 動揺しきっている私にさらに刺客が襲いかかる。「リフレッシュメント」と呼ばれる軽食である。

 駄目だろ!!!! こんなもんを無料で出しちゃ!!!!!!

 ちなみにドリンクも無料。おかわり自由。そんなわけないじゃん、普通。

 しかも全部美味しい。個人的には一番左に映っている「笹かまと枝豆のジェノベーゼ」が特に衝撃だった。前菜だからと甘く見ていたのだが、枝豆と笹かまの滋味に、添えられたベーコンの塩味とバジルの風味が加わってとんでもないことになっている。これだけのためにもう一度乗ってもいいくらいだったが、10月からは別のメニューに変わってしまうらしい。残念。

 いやでも10月からのも美味しそう〜!! リゾット食べてぇ〜!!!!

 いやぁ、本当に素敵な旅だねぇ。

【悲報】久遠なな、外国人観光客と間違えられる

  本当に幸せに満ち溢れている(というか良すぎてかえって動揺している)グランクラスだが、それ以外にも私の心をかき乱す要素がある。

 アテンダントさんが、一生英語で話しかけてくる。

 思い返してみれば最初乗り込んだ時、荷物を座席の後ろに置いていいのか確認する時にやや会話が詰まった気がする。こちらとしては他の人の会話と混線していたから少し詰まっただけなのだが、アテンダントさんから見ると海外から来た客が一生懸命日本語で話してくれているように見えたらしい。以降アテンダントさんはずっと英語で話しかけてくる。隣の男女(親子くらい歳が離れた男女だが、父娘ではないらしい。女性の方は男性を「先生」と呼んでいた。彼らは彼らで何なんだ)は普通に日本語なのに、私だけ全てが英語である。正直何を言っているのか全くわからない。あまりにも流暢すぎるのだ。

 ここから贅沢なグランクラスの旅の裏で、私の脳内で常に「日本人であることを打ち明けるべきか、波風を立てないために外国人観光客のふりをし続けるべきか」という2択が浮かび続けることになる。

 動揺しすぎてわけもなく撮った謎の活火山。多分浅間山。

シンカンセンスゴイカタイアイス

 おもてなしの心がすごいグランクラスだけれど、リフレッシュメントなどが提供されるのは序盤なので、それらが落ち着いた後は基本的に思い思いの時間を過ごすことになる。(飲み物は引き続き何度でも注文できる)

 ハーブティーを頼んで心を落ち着けながら車窓の景色を眺めていると……来る。グランクラスにも、車内販売が。

 シンカンセンスゴイカタイアイス!! シンカンセンスゴイカタイアイスじゃないか!!

 東海道新幹線や山陽新幹線では車内販売がなくなり消えてしまったシンカンセンスゴイカタイアイスだが、北陸新幹線なら車内販売が健在なので売っている。勿論迷わず注文した。

 軽食があり、ドリンクが飲み放題で、ちょっとしたおつまみ(激ウマ)や茶菓子まで出してもらえるグランクラスだが、シンカンセンスゴイカタイアイスは有料である。シンカンセンスゴイカタイアイスはそれだけ格式高いアイスなのだ。

 かったくて全然スプーンが入らない懐かしいアイスにノスタルジーを感じながら、金沢へ向かう。

9/18昼①:金沢到着

金沢着

 色々あったが無事に金沢に到着。

アテンダントさん「(多分「いってらっしゃい」的な意味の英語)」

 結局アテンダントさんは最後まで私を外国人観光客だと勘違いしたままだった。仕方ない、国内旅行にしてはキャリーケースがデカすぎる。

 しかし最後くらい日本人として接しても良いのではないだろうか? 日本人としての誇りと、間違いに気づいたアテンダントさんの心労を天秤にかける。

私「……テンキュス」

 ……私が抑えることで全てが丸く収まるならその方がいい。こんなんだから仕事が増え続けるのだ。

 金沢駅の新幹線改札付近にあった、櫻井陽菜さんの誕生日広告。改札前で待っていたオタクが全力でアピールして教えてくれた。かわいいねぇ。

合流、そしてお昼ご飯

 吟行の前泊組と合流して、金沢フォーラスへ。

 私としては3回目の金沢ゲーマーズ。特別何かやっているというわけではないので、軽くグッズを買ったのち、金沢スタンプラリーの台紙を貰ってお昼ご飯へ。

 金沢での最初のご飯は、金沢フォーラス6F「海老天丼こし」さん。

 スタンダードな天丼をご飯大盛りで頼んだけれど、これがもう素直に美味しい。温玉の天ぷらがついているのが嬉しいし、この温玉はかぼちゃと交換することもできるというホスピタリティ。北陸あったけぇよ……。

 天丼ももうシンプルに美味しい。北陸なのだから海老とかが美味しいのはもう前提として、個人的にはナスやししとうが入っているのがとても嬉しかった。ししとう、良いんですよ……。たまに辛いものがあるのも含めて、あのアクセントになる感じが非常に……。

 朝ご飯を食べる時間がなく、美味しいが量としては軽食の範疇に収まってしまう新幹線の食事で食い繋いでいた胃に、温かいお麩の味噌汁が沁みる。石川の海の幸と友人との語らいを楽しみ、改めて金沢の街へ繰り出す。

 ……はずだったが、金沢駅前に鷹匠さんがいてしばらく見惚れる。マジでなんでこんなところに……?

 こんなところで見るとは思ってなかったけど、なかなかこちらから見にいく機会があるようなものでもないので、なんだかんだ良かったのかもしれない。

 気を取り直して今度こそ金沢駅を発つ。宿近くまで向かうバスを無限に逃し続けるといったトラブルはあったが、無事荷物を宿に預けるところまで完了し、前入り組の5人で金沢スタンプラリーを回っていくことに。

9/18昼②:レンタサイクルデビュー!爆速スタンプラリー!!

 時刻は15時。翌日からは加賀温泉郷を回ることになるため、ここから2,3時間で金沢スタンプラリーのメインスポット8ヶ所を周回する必要がある。そこで出てくるのがレンタサイクル。無事復活したまちのりに乗って金沢を全力で周回することに。

 ……が、私はレンタサイクルは初めて。そもそも東京に来てからは自転車自体乗った覚えがない。かれこれ8年ぶりの自転車。何なら電動自転車に乗るのはこれが初めてだ。まあ大学生活の前半まではバリバリ乗り回していたわけだし、基本は体が覚えているはず。そうそう変なことには——

 え、怖い!! じて、自転車速くない!? こんなに速いの!? あと電動怖い!! 明らかに自分が漕いでる力に見合わないスピードが出てるんですけど!?!? これ、これ大丈夫ですか!?!? こんな、こんなん人にぶつかった日には死人が出ますよ!?!? やだ怖……金沢道狭くない!?!? 入り組んだ道多すぎない!? こんなんじゃ秒で車に撥ねられるじゃないですか!!!! ちょっ、やっぱ少し速度落とし……あぁ前2人が速い!! 速、え速すぎない!?!? 何であんなスピード出せるの!?!? 死が怖くないの!?!?

 ……そんな感じで震え散らかしながら爆速で回っていったので、正直スタンプラリー中のことはよく覚えていない。とりあえず義務としてスタンディだけは撮っていたので一部載せる。

 あまり長く滞在できなかったのと、終始私の手に余る電動自転車のパワーに震えていたので、記憶も記録もほとんどない。

 何はともあれ、宿が近い+遅くまでやっている「しいのき迎賓館」以外は一通り回れたので、ここからエクストラスポットの石川県立図書館に寄り道することになる。

9/18昼③:本の街の旅に思いを馳せる@石川県立図書館

 足を踏み入れて視線を上げた瞬間、目の前に広がる本の街に思わず息を呑んだ。

そこは本の街

 初日の旅の中で一番心を揺さぶられたのは、この石川県立図書館の景色だったと思う。

 1・2階部分にいくつも立ち並ぶ、本との出会いを取り持つ数多の窓。その上層に微かに見える、新たな出会いを待つ本たちの棲家。……ここはきっと、初めて本に触れる少年少女には、さながら本の街・本の国のように見えることだろう。感嘆と同時に出てきたのは、そんなことだった。

星とうさぎと、本の街

「小鈴には、どう見えたのだろう」

 当然、次に考えるのはそれである。徒町小鈴という少女は、積極的に本を読むタイプではないだろう。間違いなく読書感想文で地獄を見るタイプだし、頑張って読もうとしても途中で力尽きて寝るタイプ。

 だけど蓮ノ空入学後においては、人並み以上に本というものに興味を持つ環境に恵まれている子でもあったはずだ。特に同期に百生吟子がいる。ラウンジでコーヒーをお供に小説のページを捲る吟子の姿を見て、憧れのような感情を抱くことも一度や二度ではなかったはず。

「わぁ……すごい!!」

「ね、本の街みたいな場所だよね! ようこそ小鈴ちゃん、石川県立図書館へ!」

 ふと、そんな小鈴と花帆の姿が浮かんだ。ぱっと花帆が出てきたのは図書館との親和性だろうけれど、小鈴がさやかや吟子に相談したとしても、最終的には花帆のもとに辿り着きそうな気がする。本の世界の旅先案内人として、彼女より適正のある人間はいないと、さやかも吟子もきっとそう思ってるはずだ。

 きっとあの街には、彼女が気にいる物語も、彼女のチャレンジを手助けする知識も、彼女の旅路を広げる言葉も、全てが十分すぎる程に溢れていることだろう。本当はそんな彼女の視点に立ってもう少し図書館を散策したかったけど——時間の関係でそれは許されなかった。

 初日にして早速残る、次回への宿題。今度図書館ベースで遠征計画立てないとなぁ。

カフェで一休み

 図書館を回る時間はなかったものの、滞在する時間は少しあったので、併設されたカフェ「HUM&Go」で少し休憩。

 サークル名が「黄昏クリームソーダ」なのでクリームソーダと、シンプルに食べたかったのでプリンを注文。

 クリームソーダは言わずもがな。この緑色のメロンソーダの適度な甘ったるさが心地いい。プリンも適度に固くしかしとろとろで濃厚で、まさしく求めていたプリンどまんなかだった。

 友人たちが頼んでいたキッシュやラザニアも会心の出来だったらしく、テラス席で風(ちょっと強い)に吹かれながらこれからまだまだ続く旅に思いを馳せる。

9/18夕方:いざ、「変なホテル」へ

宿までの道で

 図書館でのんびりしすぎてレンタサイクルが強制返却となったので、最後のスポット「しいのき迎賓館」までは徒歩で。

 なんかいろいろ話したはずなんだけど、他愛もない話すぎて忘れちゃったな。本当に勿体無い。けどまあ、楽しかったのは覚えてるからいっか。

 ……いや、1つ思い出した。

私「高校の修学旅行でスキー行ったっていいだろうがよ!! それなのに『修学旅行は普通北海道か沖縄でしょ〜? これだから田舎もんは〜』みたいな感じで小馬鹿にしやがって!! たまたま生まれが関東だっただけの凡夫どもが粋がってんじゃねぇよッ!!!!』

 なんか、地域間ギャップで死ぬほど馬鹿にされた過去を勝手に思い出して勝手にバチ切れてた気がする。

 ……しいのき迎賓館到着後は程々に館内を見て回り、スタンプラリーも完了(エクストラスポットは私は見送り)。本日の宿へ向かう。

 宿への道の途中で、なんかジャズ系の屋外イベントが開催されていた。ああいう系の曲すごく良いよなぁ。時間さえ許せばもっとしっかり見て行きたかったが、残念ながら夜取った居酒屋の予約もあるので結構余裕はない。縁のなさを口惜しく思いながら宿への足を早めた。

変なホテルと恐竜さん

 初日の宿は金沢香林坊の「変なホテル」。

 いかにも小鈴が大喜びしそうな恐竜のコンパニオンがお出迎え。変なホテル名物のロボットコンパニオンである。

 とはいえ普通の部屋に泊まる限りはこのロボットコンパニオンと入口のプロジェクションマッピングくらいしか変な要素はない。恐竜ルームや多彩なコラボルームに泊まればまた面白いことも増えるのだろうが……これは次回以降のお楽しみにしておこう。

 それに徒町推しの私としてはこの恐竜コンパニオンだけで十分。当然恐竜なので鳴き声を上げることしかできないが、操作自体は手前のタッチパネルでできるので何も問題は——

恐竜「いらっしゃいませ」

 いやお前普通に喋れるんかい!!!! しかも非常に流暢な女性の声だった。お前メスなんかい!!!!!!!!

このホテル、恐竜さんのコンパニオン!?

徒町感げk……

うわぁしゃべった!?!?!?

帰りたくないねぇ(初日)

 変なホテルに泊まるのは4人。ツインルームを2つ取っていたので、2・2に分かれて部屋に荷物を置くついでに小休憩。

友人N「帰りたくない……」

私「ちょっと流石にそのメンタルになるの早すぎるかもしれんねぇ」

 まだ初日も終わってないし、なんなら吟行に関しては今日は前入りなので始まってすらない。大丈夫かそんな調子で。

 この友人はこれからも定期的に「帰りたくねぇ」と言っていたが、日を追うごとに切実になっていくのがちょっと面白かった。

9/18夜①:前入り組、大宴会

「魚吟」集合

 夕飯は香林坊の居酒屋「大衆割烹 魚吟」さんで。別の宿に泊まっている2人が合流し、6人でお店に入る(厳密には1人少し遅れて参加したので、最初は5人)。

 お店がおすすめしていた「のどぐろの炙り」を中心に、美味しそうなものをいろいろとピック。いろいろと写真も撮っておけばよかったのだが、楽しすぎて全然写真を撮っていなかった。残念。

 飲み物も一通り決めた後、友人Nが独断で日本酒の飲み比べセットを追加する。

友人N「皆でちょっとずつ分け合いながらいろいろ試してみよう」

 彼のこの気遣い半分ノリ半分の提案が、この飲み会を非常に愉快で喧しい方向に動かしていく。

日本酒とは怖いものですね

 魚吟には多種多様な15種類くらいの日本酒が置いてある。辛口のもの、後味が引くもの、水としか思えないヤバすぎるものなど……そしてタチが悪いことに、人ごとの相性はあれど全部旨い。

 そんな旨い酒を、あれこれ試しながらどんどん飲み進める。最初に頼んだ飲み比べセットが空になったら、通常メニューから友人Nが良さげなもの・気になるものを何種類か見繕って追加する。それをまた皆で分け合いながら試し飲みする。

 この試し飲みがすごく良くない。ただでさえ日本酒は酔いやすいのに、ころころと味が変わるから飽きることもなくどんどん飲み進められてしまう。しかもちょっとずつ飲んでるから一見そこまで飲んでないような錯覚を受ける。だから飲み過ぎ——そのうち大変なことになる。

 特に隣にいた友人Eがすごかった。元々酒はそこまで強くないらしいのに、酒と飯の美味さに加え場の楽しさも相まってそれはもうすごいことになっていた。本人の名誉のために詳細は伏せるが、なんか女性声優への愛を熱弁したりしていた。他の友人とも話していたが、酔っても他人に迷惑はかけず自分だけが面白くなっていくのは彼の美徳である。

 そしてその裏で静かに友人Sが死んでいる。気付いたら随分と口数が少なくなっていた。友人Eと合わさって完全に隠と陽の酔っ払いだった。非常に味わい深い光景だった。

 中盤以降は友人Eの愉快な言動に爆笑しながら2人を介抱する時間だった気がする。長い旅の中で一番騒いだのはこの初日の夜だった。素晴らしい旅を予感させてくれる、非常に良い夜だった。

小四辺形の飲み会は?

 改めてあの愉快で騒がしい夜を思い出しながら、全員が二十歳を超えた小四辺形の飲み会についてもちょっとだけ考えていた。

 なんとなく姫芽だけが酔い散らかすイメージがあったけど、いろいろ試しているうちに……となると吟子も結構やられる可能性があるかも? いや、逆に酒豪の自覚なくいろいろ試しているうちに付き添いの花帆を戦闘不能にしている可能性もある。

 泉は一見変わらないけど出力をセーブしてるだけで中身はどんどん面白くなっているタイプ。小鈴は強い。絶対強い。

 直ちに役立つ思考・見解というわけではないけれど、経験からこの辺りの考え方に新しい選択肢が出るのは楽しい。そういう意味でも良い飲み会だったと思う。ありがとう、友人E。

9/18夜②:夜はまだ終わらない

2軒目に行こう!

 午後9時、魚吟での大騒ぎが終了。

 細かなスケジュールは異なるが、翌日は全員かなり早い出発になる。そうでなくても夜行バスや早朝出発で十分な睡眠・休息を取れていない人間も多い。吟行の本番は明日から。ここは早めに解散して休息を——とはならない。

 これ以上は無理な友人E・友人Sを唯一シラフの友人Dに預け、まだ元気な私・友人N・友人Oの3人で2軒目に行く。

 店を出るまでは結構しっかりしていた友人Nだが、店を出て2軒目に向かい始めた途端やかましくなった。私たちは「終わりかけてた2人を気遣ってセーブしてくれてたんだなぁ」と感心していたが、後日友人Dに聞いた感じ、だいたい酒飲んだ後の移動時は喧しいらしい。そういう人もいるのか。

 ご機嫌に『新宝島』を歌いながら先導する友人Nの後をついて行きながら、目的地へ。飲み会の〆は、ラーメンしかないと昔から相場が決まっている。

8番らーめんデビュー

 というわけで、人生初の8番らーめん。コラボの時はタイミングが無くこのタイミングでのデビューと相成った。

 無難に味噌らーめん、他2人に倣って野菜増しとバターを追加。何故か一緒に頼まれていた瓶ビールを少しだけ貰い、麺をすする。

 美味しい! 味噌ラーメンで勝負している名店のように飛び抜けた美味さや魅力があるわけではないが、炭水化物を欲してる身体にそっと寄り添ってくれる優しさがある。この味を求めて旅をするというよりは、日常の中にいてほしいタイプの味。系統は全然違うが、受け取る感覚としては日高屋のラーメンに通ずるものがある。

 今回訪れた犀川大橋店は、それなりに遅い時間にも関わらず行列ができていた。花金かつ繁華街が近いというのもあるだろうが、何よりそれだけ北陸の民の生活に寄り添ってきた味ということなのだろう。

私の視点

 味噌ラーメンをすすりながら、友人Nと友人Oが石川県立図書館の在り方について緩い感じで議論していた。一方は「様々な工夫を凝らし自身のみで収益を上げることに成功し、来場者1位まで辿り着いたあの図書館は、税の使途として理想的なものなのではないか」と。もう一方は「来場者増と本に触れるきっかけ作りに終始した結果、一般的なものとは異なる図書配置としてしまったあの図書館は、国立図書館の代替として県民に十分な資料にアクセスする場を提供するという県立図書館の責務を果たせているのだろうか」と。

 どちらが良いとかではない。議論している2人も、聞いている私も、特に結論や優劣をつけるつもりはなかった。その上で、知識と視点を持つ人たちはあの図書館の景色からそういった思考に繋げるのかと、2人の話を聞きながら深く感心した。

 人をその人たらしめるのは、景色を捉える「眼」だと思う。

 目に見える世界の何を景色として捉え、そこに何を見るのか。それこそが、その人を定義づける。そして優れた人は、より広く多角的に世界を捉え、より深く多層的にそれを見る。

 あの本の街の景色を見て、小鈴と花帆の背中を見た自分の眼を恥じるつもりはない。だが、「それだけしか見れなかった」この眼を誇ってもいいものだろうか。まだまだ私は世界を切り取り深く見つめるための知識も思考も感性も不足しているような気がしてならない。

 この2人の見る景色に負けないものを私はどれだけ持っていて、これからどれだけ増やせるだろう。そんなことを考えながら、静かにラーメンをすすっていた。

9/18深夜①:まだ帰らない

男ってみんなバカなんですよ

 別の宿に泊まっている友人Oと店の前で別れ、友人Nと2人で帰路につく。大騒ぎの飲み会も終わり、〆のラーメンも食べた。あとは宿に帰るだけ。明日も早いしこれ以上寄り道はせずに——

友人N「ゲーセン寄らん?」

 ……は?

私「最高じゃん、行こう」

 ……さっきまで石川県立図書館の功罪だの世界を見る眼だのご高説垂れていたが、結局男というものは本質的に馬鹿である。だんだん睡眠時間が不安になってきている午後11時前、馬鹿2人がゲーセンに殴り込み。

 一応旅前に冗談半分で「石川行脚称号取らなきゃだし時間あればゲーセン寄って弐寺したいなぁ」なんて言いはしたので、それに付き合ってくれたと考えれば感謝しかない。

 だがその後ノリノリでやったDDRはどう説明するのか。睡眠時間だけではなく体力まで過剰に削ってるんだぞ。本当に愚かじゃないのか。

 止めずに乗っかる私も私だ。一番明日の出発が早い自覚はあるのか。平気だと思ってたが私もかなり酔いが回っていたらしい。まあでも楽しかったしいっか!!

怒涛の1日目、終了

 ゲーセンからの帰り、二日酔い防止の水を買うために寄ったファミマで何故か友人Nがカップ麺を買っていた。その場でお湯を入れていた。マジで何してんの??

8番らーめんで友人Nの自制心をベタ褒めしていた友人O「さすがに信じがたい」

 ちなみに私がシャワーを浴びてる時に来た友人D曰く、「まずい」と愚痴ってたらしい。そらホテル着く頃には伸びてるし冷めてるよ。一風堂さんは何も悪くないよ。

 ともあれ無事にホテルに着き、シャワーを浴び、荷物の整理をして就寝。忘れずに明日の朝やることリストも作っておいた。

友人N「多分ななさんが出る時、素直に送り出すかだる絡みするかの2択だから、前者であることを祈っててね」

私「嫌な2択だなぁ」

 そんなことを話しながら、0時ごろ就寝。正確にはそこから暫く慣れないベッドと寝苦しさで寝付けない時間があったが、1時ごろには無事に寝れた感覚がある。

 本当にいろいろなことがあった1日目だが、まだまだ旅は始まったばかり。

@nana_quon
雑多な文章