短歌の素(先輩の卒業式の伴奏担当)

nanaito
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吹奏楽部に入っていた中2の頃、3年1組の先輩と付き合ってた。でも本当はずっと3年2組の先輩のことが好きだった。好きな先輩には、彼女がいた。それはわたしの幼馴染の、同い年の、吹奏楽部の子。好きな人の彼女と毎日顔を合わせるのは、いい気分ではなかった。

先輩たちの卒業式の「卒業証書授与」のBGMとして、そのクラスが夏の合唱コンクールで歌った歌のピアノバージョンを流すことになっていた。吹奏楽部の2年生の中から、ピアノを弾ける子が立候補する形。わたしは迷わず3年2組のBGMを弾きたいと立候補した。わざわざ3年2組の曲をピンポイントで弾きたい人はいなかったので、無事にわたしが弾けることになった。

付き合ってたわけじゃないし、お互いに彼氏彼女がいたから、卒業証書授与のBGMを弾くことくらいしかできなかったけど、できることがあって嬉しかった。卒業式のあとに「ピアノ弾いてくれてありがとう」とメールが来た。先輩はケータイを持っていなかったので、Yahooメールで。

けっきょく好きな先輩とはその1年後くらいに付き合えたし、別れたあとも仲良かった。「30歳になっても結婚してなかったら結婚しよう!」とかふざけて言ってたけど、30歳になる前に結婚したなぁわたしは。