短歌の素(コンプレックス)

nanaito
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中学生の頃に仲が良かった同級生のTくんは、当時のわたしのコンプレックスを、知ってか知らずか好きと言ってくれた。

声が可愛くて好きだと言った。もごもごしゃべってたはずなのに。

笑顔が可愛くて好きだと言った。歯並びが悪かったはずなのに。

わたしも少し好きだった気もする。でも、他に付き合ってる人がいたし、どこまで好きなのかよく確かめないまま、ただおしゃべりしていた。

AKBの写真集を貸し借りした。

実力テストの点数を競ったりした。

中学最後の数学のテストは二人とも100点で、勝敗がつかなかった。

普段褒められるどころかコンプレックスに思っている部分を褒められると、記憶に残る。