本屋さんはずっとおやすみ。

ブチ
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散らかった部屋のなかでクッションに身を預けていたら、ずっとお休みの本屋のことを思い出した。千葉に越してきた時に実家のいちばん近くにあった本屋。さんざんお世話になった15年くらい後、閉店してしまったお店。いや、閉店してないのかもしれない。なぜなら、最後の営業日を終えた店の入り口には「このおみせは、ずっとおやすみになってしまいました。これまできてくれて、ありがとう」と貼り紙がしてあったから。しばらくしてその場所は100円ショップになり、今では季節の造花や生活便利グッズがたくさん置いてある。でももしかして100円ショップと同じ場所に本屋さんはずっとあって、ずっとお休みしてるのかもしれない。眠り猫みたいに、ずっとおやすみ。ちなみにわたしは眠り猫でも本屋さんでもないので、朝に仕事日用アラームで目覚めたときには永劫かと思われた睡魔は今ごろになって中途半端に去り、寝すぎてぼんやりした頭を抱えてひたすらクッションを凹ませたりしている。ずっとお休みの本屋さんはたぶんこんなに散らかってないんだろうなあ。散らかるってことは、起きてるってこと。起きてるってことは、散らかるってこと。よし、まずは本を床から拾うところからはじめようかな。起きてしまったものの宿命として。

@nananto0
ガイトウ(街灯/外套) ことばで照らしたり、ことばを羽織ったり。