数日前の深夜に衝動買いしたピンバッチが届いた。「Not all those wander are lost.」と書いてある。放浪する者すべてが迷っているわけではない。ショップにたくさんあった中からどうしてこのバッチを選んだのかよく覚えてないけれど、たぶん、自分に必要な言葉だったんだろうなあ。ひとところに留まらず彷徨ってばかりで、でも、別に留まるところを探している感じでもない。迷子になってるわけではなく、ずっと道草を食っていたらそれが主食になったとでもいうか。前菜ばっかり食べていたり、映画の予告編だけみていたり。そんな風なのが、意外といいなぁとおもうようになったのが最近。どこかに行かなければ、何者かにならなければ、という焦燥が年を経るごとに減ってゆく。焦燥の方でも、ちっとも自分のいうことをきかない呑気な主人に呆れて、ちょっとお暇をいただきますと道草を食っているのかもしれない。永遠の道草。うん、永遠の迷子よりはだいぶいい響き。もしかしたら、いつかどこかに行きたいと思い付くのかもしれないけど、それまではまだ草をはみはみしていたい。