晴れのち、結露

ブチ
·

曇りのち晴れ、今日の東京中目黒はお手本のような曇りのち晴れでした。明るすぎる夏空って、青を通りすぎることがあるよね。日差しが織り重なって織り重なって白くなった大気は、上空と大地を隔てているはずなのに、こういう日には高すぎる空に手が届きそうな錯覚が過ることがある。眩しくて、目を開けて見上げられないからかもしれない。みえないものって、時たま、みえるものよりも近くなることがあるから。空のあまりの近さに切なくなり、カフェに逃げ込んでアイスティーを飲んでいたら、あっという間に午後の日差しは傾いて、街は現実感を取り戻してしまった。憧れにも懐かしさにも思えるまばゆさに手を伸ばす勇気は、まだわたしにはない。グラスの結露に指を濡らしながら窓の外をみたら、一欠片の雲が神様の気まぐれみたいに空に浮かんでいた。夏だね。

@nananto0
ガイトウ(街灯/外套) ことばで照らしたり、ことばを羽織ったり。