まるくてちっちゃくて、鋭くてよく切れる

今日はお金のための労働がなかったので、眠りの浅瀬で色々なものをやりすごしていたらこの時間。気晴らしに買い物したいけど散財したら落ち込みそうだから、日常の特別として100円ショップで飴を二袋買ってきた。あそこの飴コーナーみるのがすきなんです、コンビニとかスーパーにはない珍しいものがあるし。でも手にしたことはあんまりなかったから、ちょっとわくわくした。うそ、かなりわくわくした。自動的な言葉の連なりで、ちょっと、ってつけちゃった。癖かもしれない。特別な日のお供として選ばれたのは「花のくちづけ」と「生梅飴」。飴って無意識に噛んじゃうからあんまり舐めないんだけど、だからこそ意識してコロコロくちの中で転がしてると、丁寧な暮らしの気配を感じて気分がいい。100円ショップの袋は小さめだから、忘れる前に食べきれそうなところもいいね。さっき気づいたんだけど、袋のなかに小さな袋がいくつか入ってるって構造、なんかかわいいなあ。袋ってものが、そもそも属性としてかわいいのかも。しかも中には甘くて丸いものが入ってるし。そんなことを考えながら手のひらサイズのときめきを外に出そうとしたら、四隅のどこからも開けられなかった。知らなかった。手に入れられないときめきって、絶望になるんだね。幸い自室だったから、かなしみのうちにもハサミという人類の叡知を思い出して事なきを得ました。不器用ものとしてハサミに救われてきた人生です。ありがとう。絶望を切り裂く存在としてのハサミ、ありがとう。飴は丸くて甘くて、おいしかったです。やったね。