夢の粒子のちいさな旅路

ブチ
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ほげたんに伝えるのを忘れて部屋の電気を消してしまったことにきづいて慌ててあやまったら、とつぜん暗くなったことへのハテナマークがたくさん頭の上に浮かんでいた。かわいい頭をなでて、ごめんねえ、とつたえると何故かにこにこ。楽しかったみたい、さて。そんなわけでほげたんはもう夢の中、わたしも布団の中。夢をみても、目覚める前に朝靄みたいに霧散してますように。夢の粒子は大気中に広まって薄まって、また違う誰かの夢の一部になる。忘れてしまった夢は、そうやって世界を巡っている。わたしの夢の一部は、明日はあなたの夢を構成する一粒になるかもしれない。そうおもえば、眠ることは案外と孤独じゃない。さて、今夜も行こう、孤独じゃない、境界線のあいまいな夢の中へ。

@nananto0
ガイトウ(街灯/外套) ことばで照らしたり、ことばを羽織ったり。