冬の嵐を飼うのはつらい

ブチ
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もうすごい。咳が。咳という名の突風が内部から吹き抜けて身体を揺らす。他の風邪症状がまったくなかったから甘くみていた。寒い日に気道が狭くなって咳がでるのはよくあるのだけれど、今回はどうもひどくなってしまったらしい。ひさしぶりに喘鳴がする。窓の外なら風の音も風情があるけれど、身体の中からきこえるとしたら話は別。どうにも耐えきれなくなってはじめて仕事を早退し(悔しい)、枕を斜めにして気道を確保し布団の中に横たわっている。昼からずっと。普段よりずいぶんと気を遣ってそろそろと息を吸って吐いても、時折、容赦なく嵐は吹き荒れて心を疲弊させる。そう、心。咳以外は元気なのになにもできないことは、なかなかに精神を疲れさせてくれる。咳をするのはエネルギーを消費するらしいから、とりあえず布団のなかでアイスを食べた。ほんとうはあったかいものがいいのかな。でも、なめらかなアイスが必要な嵐の夜もあるよね。ねむって、明日は朝イチで病院に行こう。目覚めず眠れますように。嵐もたまにはいいけれど、身の裡に飼うのはなかなかにハード。これを読んでいる方も、嵐は外で楽しみましょうね。

@nananto0
ガイトウ(街灯/外套) ことばで照らしたり、ことばを羽織ったり。