どんな音楽に泣いて、どんな人間を軽蔑して笑っていいのか、本当はほとんど分からなかった。自分にとって親鳥のような存在だった人の思考のくせを盗んでは真似をして、それだけが繋がっていられる術になってからは、小さな待合室に変わった世界のなかでエピローグのように暮らしてきた。ひとりきりで何かを決断するということが理解できないまま、それを他人に悟られないように必死だった私は、どうせ無様にほほえみながらここまできたんだろうな。2024年なんだそうです。私はあなた以外と生きていく気なんてさらさらないんです。もう二度と会えませんか。
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「仰る通り私の人生は、自らが招いた喪失の連続でした。」