2024/01/03
年が明けてしまった。12/18、自分の誕生日に一本あげようと思っていた記事をあげ損なってしまった。2023年のRSGTで受けた「組織を芯からアジャイルにする」という言葉の衝撃。あの気持ちを胸に抱いて過ごした一年間について書き綴ろうとしては失敗した。
私はあまり言語化に失敗することがない。だから自分なりに真摯に向き合ってきたことについてうまく言葉にできなかった衝撃は大きかった。でもその経験を通じてわかったことが一つある。それは旅路の途中でその旅に意味を与えるのが難しいということだ。
この一年間、私は何をしてきたのか。取り立てて特別なことをしたつもりはない。たまたまチームリーダーを任されて、少しでもチームが安寧に価値を発揮できるようになるかを考えて、できることを一つずつ実行した。それはあるいは毎日のふりかえりだったり、あるいは積極的に巻き込まれに行くことだったり、あるいはコミュニティと交流して新しいことを学ぶことだったりした。今からして思えば一つ一つの行動がそのときどきにおいてとても大事であったことは明白だがその渦中においてはそれが正しいことだったのかどうかはわからなかった。
今だってせいぜい一年前と比べて根本的に私は人間として大きく成長したわけでもなければ性質が変化したわけでもない。ただほんのちょっと考え方が変わったくらいのものでそれに伴う行動変容がたまたま見えやすいものだっただけだ。以前と比べて私自身が組織に提供できる価値は劇的に向上してその副作用として周囲にも変容が起き始めた。でも行動の結果が本当に正しかったのかはわからない。この先に一体どんな未来があるのか、私の選択がどんな結末を導くのかは正直に言ってしまえば、怖い。
だが一度動き出してしまった以上、私にできることは行動に責任を持ち改善のための働きかけを続けていくことしかないように思う。間違ってしまったときはそれを指摘してくれる人々に感謝し改め、失敗してしまったときは頭を下げ誠実に最後までなすべきことをなす。それが難しいことだというのはこの一年で痛感したし逃げ出したくなることはなかったと言えば嘘になる。
未知の海に向けて帆を張り続けることが怖くないはずがない。マゼランやコロンブスたちと違って私は命までは賭けていないが女性で性的少数者という時点で一定の逆風の中を進んでいる。自分自身の先入観や社会的なスティグマを乗り越えて一歩を踏み出すところからとてつもない勇気が要求される。
「バナージ、たとえどんな現実が突きつけられようと、「それでも」と言い続けろ。自分を見失うな。」
― マリーダ・クルス(機動戦士ガンダムUC)
「正しくっても、間違ってても、自分がやったことは取り戻せないんだって」
「何も手に入らなくても、前に行くしかないんだって」
― スレッタ・マーキュリー(機動戦士ガンダム 水星の魔女)
それでも私は進み続けることを選ぶ。それが私の、組織の、日本の、世界のためになると信じて。先人たちの智慧を借りて今日も改善のためにできることをする。誰もがそうあるべきだとは思わないけれど、私は誰もがそうなれると思う。必要なのは勇気ときっかけと少しの運。この一年間で私がコミュニティから勇気ときっかけを貰い続けたように私もそれらを人々に与えられるように私はこれからも進み続ける。