ひとりごとです。
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好きなYouTuberのひとりが、所属していたグループ(会社)を卒業し独立するということになり、年内のイベントが最後のイベント出演だと言うので、いてもたってもいられなくなり自分の冬休みにあわせて日本一時帰国の航空チケットを取って日本に帰ってきてイベントに参加してしまった。ほかにも日本でオタク活動したくて悩んでいたところの最後のひと押しになったというのもあるけど、いや自分の行動力よ。すごいなと自分で思ってみる。
好きなYouTuberというのはQuizKnockのこうちゃんだ。私は全YouTuberのなかでQuizKnockが一番好きで、QuizKnockでは山本さんが一番好きなんだけど、こうちゃんはその次に好きで(といっても、こうちゃんと同じくらい好きなメンバーは他にもいるし、結局みんな好き)、こうちゃんは特に初期メンバーなこともあり、発表されるまでなぜかやめてしまう可能性について私の中で想像したことがなかった。いままでにも初期メンバーでやめた人もいるのに、なぜだかもっと長く活動してくれるような気が勝手にしていた。なぜだろうね。永遠なんてないのに。やっぱり「推しは推せるときに推せ」だな。これ本当に金言だと思う。
QuizKnockはもともとはクイズプレイヤー集団としてYouTuberやウェブ記事を始めたようだが、最近は手広く、学びと楽しさをかけあわせた事業を展開したり案件を受けている。彼らはYouTuberであり一企業だ。彼らの行動は品行方正で首尾一貫しているなと思うし、こうちゃん本人が動画で繰り返し言っているように、仲違いやなにか不満があってなどで辞めるわけではないようだし、それは動画やコンテンツをただ見ているだけの私からも、きっと本当にそうだろうなと思えるくらい彼らの言動には信頼がおける。
私はこうちゃん自身が好きな気持ちもありつつも、「QuizKnockのこうちゃん」、「QuizKnockにこうちゃんがいること」、あるいは他のQKメンバーとこうちゃんとのやりとりが好きだったり(日プ風に言えば「ケミ」というやつだろうか…特に山本さんとのケミが好きだった)、思い入れがそれなりにあったので、今後も個人で活動する予定があるとはいえど、悲しみがないといえば嘘になる。こうちゃんは地方から塾無しで東京大学法学部を現役合格卒業したほどの超エリートなのに、なぜか親しみがあって、いじられキャラとして地位を確立していて、動画内でも視聴者に近い目線でコメントしたりしてくれていた。こうちゃんの存在が「近寄りがたく見られがちな高学歴集団への親しみやすさ」を産んでいたり、クイズや各企画への敷居を下げたのではないかと思うので、QuizKnockにおいてこうちゃんが果たした役割は数え切れないほどあったのではと傍から見て思う。(でも普段忘れられがちだけど本当にすごい人だよ、歴史は強いし、文系なのに学生時代の数学の偏差値が鬼高かったりする。)
YouTuberといえどQuizKnockの事業をやっているのは彼らの独自の会社で(いわゆるYouTuberマネジメント系の会社が運営しているわけではない)、出演者たちはおもにその母体の会社の学生アルバイトまたは会社員のようだ。業務契約のこともあるのかな。すくなくとも前にどこかで見た話では、こうちゃんは母体の会社の社員だったような気がする。学生バイトとして始めて、新卒としてその会社に就職したはず。現在の雇用形態が社員にせよ、業務契約にせよ、こうちゃんはQuizKnockに7年いたようだ。そのあたりで新天地を求めたくなったり独立したくなったりする気持ちは、いち会社員としてはわかる気がする。
私も最初の会社に6年いたんだけど、その6年の最後の方は自分が同じ環境にずっといることで成長が鈍化しているように感じたり、新鮮味が感じられずに日々の仕事をなあなあでこなしているような気がしてしまったり、6年いる割には給料が上がらないことへのフラストレーションをためてしまったり、新しく刺激的なことに取り組んでいる同年代の人々への羨ましさを感じたりしてしまっていた。会社員として働くすべての人が同じ状況とは限らないしこうちゃんの本当の気持ちなんて本人以外誰にも分からないけど、自分に当てはめて考えると、そういう決断をしたくなる気持ちはすごくわかる。彼はまだ20代半ば、人生は長いし、気力も体力もあるだろうし、新しいこともまだいろいろしたい時期だろうなと思う。いちQuizKnockファンの私は「え、寂しい、ずっといてほしい」と思っている一方で、いち会社員の私は「あーそういう気持ちになることあるよねわかるわ」と思っている。(とはいえ転職や独立が100%いいといいたいわけではない。社内にとどまるのも自由。環境を変えるのも自由。すべて個人の自由。)
イベント自体はとても楽しくて、なんだかいまだにこうちゃんが最後のイベントなんて思えないくらい終始和やかに終わった。最後にこうちゃんが一言コメントしていて、最後ハケるときも一番長くいてくれて手を降ってくれていた。みんな「こうちゃーん!」と叫んでいた。私も、聞こえたかわからないけど「こうちゃん、ありがとうー!」と叫んでいた。私はただのいち視聴者でしかなかったけど、今までたくさん動画や記事やイベントを通じて楽しませてもらっていたので、叫ばずにはいられなかった。本当に今までありがとうって気持ちだ。後ろの席だから声は届いてなかった可能性が高いけど、現地にいて、自分が叫んだ、という事実をつくれただけでも、日本にかえってきた価値があったと自分で思えた。
私は今後もQuizKnockを見るし、こうちゃんの個人の活動も、まだどうなるか知らないからなんとも言えないけど、見る可能性は高いと思う。でも私の頭の中で2018年から存在していた(QuizKnockは2016年からあるが、私は2018年にQuizKnockを見始めたので)、「こうちゃんのいるQuizKnock」がここで一幕を閉じるので、区切りとしてこの文章を残しておきたいなと思って、残しました。