1月25日(口頭試問後の雑談/児玉雨子『誰にも奪われたくない/凸撃』)

nasub_i
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・口頭試問。口頭試問の後にゼミ生や教授といろいろな雑談をした。他人と雑談するの、かなり久々かも知れない。しかし優秀な人、もちろん言葉の端々から研究的センスが滲み出ていて何喋らせても面白いというのもそうだし、それ以前にまず会話から出てくる固有名の数やレパートリーからしてもう段違いなんだよな。勉強をしましょう。

・自分の研究、分類としてはテクスト論になるんだけど、テクスト論やってると「今自分がしているのは果たして研究なのか……?」という不安にさいなまれる。特に自分の場合は同時代性をあまりふまえていないのでなおさら。

・『誰にも奪われたくない/凸撃』読み終えた。自分の生活も本の嗜好も社会性から切り離されがちなので、こういう世態風俗が活写されている小説を読むと自分の認知が社会性にアジャストされるような感覚があってよい。どっちの作品でも「現代人は資格の取得やスキルの獲得によって”(社会的・労働的)価値”を習得し、その価値の優劣によって存在の”勝ち負け”が決定づけ、またそこで”勝ち組”を目指すことこそが”成長”である」といったような現代的感性が「露悪的」に描かれているわけだけど、この二作はそういう「露悪性」の裏に人間への信頼が滲み出ているように感じた。いわゆる現代の「純文学」的作品は露悪性の描出のみに徹する傾向が強いのに対し、本作は露悪的になりきれていないというか。でもその”なりきれていなさ”がとても心地いいし、人間的な倫理への可能性を感じる。

・いろいろ書きたいが、ここらで寝る。なにせもう3時半すぎてるので……

@nasub_i
耐えがたいものがある