今日は寒くて暖房の温度を1℃上げました。
昨日投稿された三崎律日さんの新着動画「世界の奇書をゆっくり解説 第19回 懐疑的天文学 : 非球たる地球」 への感想を書こうと思います。
この動画は地球平面説の解説というYoutubeで使い古されたような内容でありながら、その解説にとどまらずこの事象を科学史の歩みを交えながら紹介する動画です。
奇書の解説動画なのですが、まず奇書とはなんなのか。
このシリーズでは筆者なりの正気で書かれた本が現在の価値観で判断すると評価が逆転しているなど数奇な運命を辿った本。
この奇書に着目するという試みが非常に面白い。歴史をただ学ぶだけでは流れしか理解できないが、このように本の評価の当時と現在の違いからその時代の価値観の造形を深める事ができる。
今回の動画の内容の紹介に移りまして、
ある地球平面説の論文から動画は始まります。その論文の内容と著者にまつわるエピソードを解説します。普通の解説動画であればこれで終わりですが、まだ動画は続きます。次に、なぜこのような事象が起こるのかを一般化し、今回の動画であれば科学や科学哲学の歴史を例を上げながら我々に解説します。そして最後にまとめとして上質な問題提起をこちら側に投げかけて動画は終わります。
このように奇書と呼ばれる歴史のイレギュラーとして評価されている本を通して、現在の私たちの立ち位置を再認識して考え直す機会を与えてくれる素晴らしい動画シリーズ。
会話でたまに使うようなパラダイムシフトという言葉は科学哲学の言葉で、元々は科学史の不連続性からある思想を共有している集団や時代をひとまとめにパラダイムと呼称し、その世界観内で表現出来ない事象が発見されると新しいパラダイムに移行する。これをパラダイムシフトと言う。
この方の動画は本題からそれることなく、関連事項を紐づけて解説するのが本当に上手で頭にスッと知識が入る。この人の授業を受けてみたいな絶対に面白い。
三崎律日さんはゆっくり解説というジャンルに属する投稿者であり、投稿された動画の質や文才は私が見たことのある解説動画で随一。
↓この方の著作が文庫化されたので買って売上に貢献しようと思います。
今日はこれで終わり。
この方みたいな文章力を身に着けたい