のっけから自慢かよ、という感じだが、肌がきれいだと褒めていただくことがある。もちろん『歳のわりに』という枕詞がついているに違いないのだがみなさん飲み込んでくださっているようだ。
前提として、私は肌が丈夫である。めったに荒れない。なのでまずは「きれいっていうより丈夫なんだよ」と答える。
そこで笑って話が終わればいいのだが、「具体的に何してるの?」と聞かれることがある。こうなるとちょっと困る。何を隠そう私はスキンケアオタクでもある。肌に対してはけっこうな手間と時間とお金をかけている。丈夫な肌という長所(自分で言う)にリソースをほぼ全振りしている。
つわりの時期を除いて、20歳を過ぎてから、外出の有無を問わず日焼け止めを塗らなかった日はたぶんないというと相手はちょっと引く。たたみかけるように、毎月美容皮膚科に通ってレーザーをあてているというと目に見えて引かれる。ドン引きされることもある。引かれるのは悲しい。かといって、一ヶ月かけて美容液一本使うよりも一回バチっとレーザーあてたほうが調子よくなることが多い(上に値段もほぼ変わらない)中、何してるの?と聞かれて正直に話さないという選択肢はわたしにはない。だから困る。
しかしまれに、「それでそれで?」と話を続けてくれる人がいる。そういう人はだいたいスキンケアオタクかメイクオタクである。使ってるスキンケア(地味に高い)の話とか最近気に入ってるファンデ(とても高い)の話とか筋トレの話とかその他あれやこれやで盛り上がることができる。とても楽しい。わたしの中で、レーザーの話が踏絵と化していることに気づく。きっと世の中にはいろんな分野のたくさんの踏絵があるんだろうな。様々な分野で様々な人の様々な話が聞いてみたいので、踏絵を見つけたらどんどん踏んでいこうと思う。あれ、逆か?