二月某日

夏の午後
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起きる。布団の中にいるとインターホンが鳴った。設備点検の人の声が玄関前から聞こえる。寝巻き&焦って靴下を片方ベッドに置いてきた状態でモニター越しに会話。家には入らない、これから10分間水が使えなくなるとのこと。それを聞いた途端にトイレに行きたくなる。水がないと朝の支度ができない。ログストを読み、読みかけの本を開いて待つ。無事終わって洗濯機をまわす。

受付終了ギリギリに病院に着く。待合室は混んでいた。『嵐が丘』を読みながら待つ。眠くなる。白湯のペットボトルの保温ラベルが和紙素材で触れるたびに気分が上がる。和紙最高! 二時間待って、最後が私だった。左腕を出す。血管がなかなか見つからないのでグーパーを繰り返す。採血の痛み自体はたいしたことないけど、これから痛みが来ると思うと緊張する。管を流れる血から目をそらす。片手に和紙を握っていれば安心したかも。それかぬいぐるみ。アクスタや写真もいいかもしれない。気を紛らわせるものならなんでもいい。全部の手術や検査が採血程度の痛みと時間で終わればいいのに。

血を失ったので水分と栄養補給をしに王将へ行く。紙に名前を書いて待つ。ドアがふんわり閉まらない仕様になっていて(壊れているのかも)、人が出入りするたびに女子トイレのドアを誰かが勢いよく閉めるときのドンッ!!並みの音がする。好きなグループがキムチ炒飯をつくる動画を見てからキムチ炒飯ブームがきていて、迷わず注文する。

どうしても気になる香水のポップアップがあって、新宿に向かう。試す前から好きなのがわかる。散財はしたくないのに買うことがほぼ確定している。紀伊國屋で児童書棚をチェックしてから伊勢丹に乗り込む。嗅いだらやっぱり好きな香りだった。候補を二つに絞って片腕ずつ肌乗せする。苦手なノートが一つ入っていたので経過を見るためにいったん離れて、別の階で欲しかったネイルを試す。石けん水で落ち、ラメは貝殻でできている。悩んで一本選ぶ。

隅の方に人が多いなと思ったら某俳優が接客をしていた(整理券制のイベント)。売り場のすぐそこに普通にいて一対一でファンに対応していて、年末年始に彼の出ているドラマを一気見したところだったので役名が先に浮かんだ。絶対に百貨店で接客しないタイプの役だった。戻って香水を買い、おまけでサンプルをもらう。もう香水はしばらく買わないと固く誓う。先月も同じことを誓ったはずだが……。

家に帰って夕飯をつくる。持ち帰ったムエットを嗅いで復習するみたいに香りを確かめる。寝る前に最近毎日見ている「ビーとパピーキャット」を見る。ウテナとるーみっくわーるどとCCさくらとセラムンとサンリオとグルグルとあらゆる日本アニメ文化をミックスしたような、かわいくて不思議でちょっと不穏でゲームっぽい中毒性がある。これも近々ポップアップショップがあり、行かないぞという固い意志が必要。タブレットとスマホを置く。朝まで一度も目を覚ますことなく眠る。

@natsuno_gogo
shipperの日記帳