GW後半は入るはずだった仕事が飛び、世間と同じように連休になった。念願のじゃれ本をやって、欲しかった香水が値上げするというので買いに行き、すごい本を何冊か読み、U-NEXTに登録して、鍋の取っ手が取れ、マルチ疑惑事件が起きたりした。
じゃれ本:4人、持ち時間5分、ひとり2ターンで総8ページの設定。これをグループ通話しながら2回。まずタイトル、完成して初めて全体像が見えたときの辻褄の合わなさ、自分のターンになったときに読める前の人の文章(突然知らない設定やキャラが出てくる)、2ターン目は前回書いたものからどのくらいズレてるか、その全部で予測つかない笑いが起こるから酩酊した小説って感じだった。書き手じゃなくて小説そのものが酔っ払ってる。定期的にこれをやりたい、一人じゃ絶対書けない話になるのが面白すぎる。鈴……平【鍵】の闇オク読みたいよ~。
旧友から数年ぶりに連絡が来た。相談したいことがあるらしい。よく飲んでいた人のひとりで親しかったけど文面がかなり唐突だったので、通話ならOKとしたうえで「勧誘なら断る」(原文ママ)と返した。旧友と会ったら勧誘された話は周りでもたまに聞く。知り合いで勧誘する側になった人もいる。こちらの意思を初手ではっきり示しておいた方がいいと思って短文で直球を投げた。違ったら訂正すればいいし、普通は警戒に理解を示すと思う。この直球で話が動き始め、じゃれ本みたいな展開になり、無意識のうちに起承転結ができていた。これがマルチ疑惑(仮)事件。※私に被害はなし
むかし個人サイトを巡っていた時代に日記が際立っておもしろい絵描きの人がいた。その人の日常で起こることが平然とぶっ飛んでいた。書き方がうまかったのか、観察眼が鋭かったのか、話を盛っていたのかわからないけど楽しかった。エピソードはなぜか一つも思い出せない。その人が特殊だと思っていたけど、「そんなことある?」は誰にでもわりと起こることを大人になって知った。
一人で変なことに行き当たるのはその人の才能で、たいていは他者と関わるうちに何かが起こる。自分だけでは知り得ない未知の話、会話で生まれる新しい考えや展開、それを共有することへの好奇心がすごく強くて、だからリスクと天秤にかけても結局人と喋るほうを選んでしまう。ただ他者の人生を消費しているだけなのかもしれない。昔からよく人に相談されるので、少なくともその時は需要と供給が一致しているとは思う。
旧友の話はいったん終わったけど、ページ制限のない現実に本当の終わりはない。相談される側は全面的に信頼されていて、話の方向を左右できる力を明け渡されているのを感じた。話を聞くのは好きだけど委ねられるのは全然好きじゃないので、もし続きが来ても自分で書けと伝えると思う。おしまい。