たまにすごくいい匂いのする日があって、特に夕方近くになるとそれがよく感じられる。実家にいるときのほうが遭遇することが多かったから、たぶん季節の変わりめ特有の匂いだと思う。主に植物、あと日差しとか湿度とか風向きとかいろいろな要素が絡み合って、あーすごくいい匂いだと思う日がある。今日がそれだった。
今年初めてホタルイカを食べた。キュウリを料理に使うのも今年に入って初めてだったと思う。はんぺんとキュウリをサイコロ状に切ってホタルイカと酢醤油で和えた。それだけの料理なのに口の中から一気に夏がきた感じがしてすごかった。ものすごい懐かしさ、味覚は夏のことをしばらく完全に忘れていたらしい。イカの下処理は面倒で(したことがない)目玉ごと食べた。
この前、早く寝なきゃいけないのに目が冴えて眠れなくなって、ペンミの感想を短歌にし始めたら書きたいことが次々に浮かんできて、言葉を組み立てるのが面白すぎて余計眠れなくなった。2時間弱かけて7首つくって、起きてからまた5首つくり、推敲して手直しして、いったん途中でストップしてある。止めないと延々と言葉を探すことしかしなくなりそうだった。テトリスを無心で続けるのと似ている。
今年の目標のひとつが「短歌をつくる」だった。短歌は瞬間を鮮やかに切り取る、これ以上ないくらい鋭く磨かれたガラス製のナイフというイメージがあり、一文字変わるだけでも大きく意味や雰囲気が変わってしまう緊張感のある美しさに惹かれる。どこまでも孤高。基本的に視点は主体に固定されるので、他愛ない日常の歌でもどこか寂しさが漂うというか、他者あるいは世界と向き合うひとりぼっち感がある。
去年つくったときはこうならなかったのに、「好きなアイドルの初ペンミ」という熱量の高いものと文字数に制約のある短歌が合わさって、真夜中のベッドにいる私の頭の中で爆発した。書き留めておきたいこと、その日の感想、振り返って思うことなど溢れてくるので、これを一番ぴったりな言葉で表したくて、頭をフル回転させながら淡々と夢中だった。寝る前にやるんじゃなかった。小説以上に語彙力が必要で難しいけどめちゃくちゃ面白い。出来はともかく形にするまでが小説と違って早いから達成感を得やすく、パズル要素がハマりに拍車をかけている。
やっぱり12月の文フリ出たいな。あと、じゃれ本もやりたい。誰かやろう。