輝いたステージに立てば 2025.12.17

nau4ro
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公開:2025/12/17

千早のTFT動画が出てから、久しぶりに765プロの曲を聴いている。

人生で一番765の曲を聴いていたのは、高校三年生の受験期だったと思う。当時はまだサブスクサービスが一般的でなかったので、隣町のTSUTAYAでアルバムを借りて、SONYのウォークマンに音源を入れて聴いていた。特に好きだったのは響の『Brand New Day!』だった。

進め 負けない ここから始まる

手と手を繋いで走り出す

自分たちの未来は

負けたり へこんだりしない

世界が呼んでいるんだから

飛び込んじゃえば たぶん All Right!

このサビを聴きながら登下校していたのを思い出す。発言者が他人であれ自分であれ「がんばれ」「がんばろう」は呪いの言葉になり得るし、当時のわたしも「がんばる」という言葉が苦手だったのだが、765プロからの「がんばろう」は何の捻りもなく素直に受け取ることができた。星野源が『M@STERPIECE』の歌詞について「夢を題材にした曲の中でこんなに夢と人間の関係において正直に嘘をついてなくて真摯な歌詞はほかにない」と語っていたことがあったが、アイマスブランド全体にそういう真摯さがあると思う。(たとえばSideMで一番好きな『Compass Gripper!!!』も同じようなマインドを感じる)

で、当時特に聴いていた曲たちをApple Musicのプレイリストに追加していっていたのだが、なんか足りないな……?とふと思った。で、GRE@TEST BEST!の曲リストを眺めてみて、13曲目が欠けていることに気付いた。欠けていたのは『自分REST@RT』だった。

ああ、なるほど、作曲家か……。

実際に作品がキャンセルされているところに遭遇したのはこれが初めてだった。というのもYouTubeなんかの動画メディアだと、私の知る限り動画が削除されたりしている例は(自分の愛好していた曲に限っては)見かけたことがなかった。彼の犯した罪についてはもう全く擁護できるところがなく、作品が大々的に取り上げられることによってメジャーシーンに彼の名前が肯定的な文脈で載ることも、個人的にはあまり歓迎できない。被害者のいる犯罪を犯すというのはそういうことだと思う。

だが同時に、あの曲がわたしの思春期に寄り添ってくれたという事実も揺るぎないものだ。サブスクというオープンな市場に公開するのは難しいかもしれないが、(YouTubeの無断転載等には頼らずに)もう一度あの曲を聴きたかった。

THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+ GRE@TEST BEST!のアルバムジャケット

結局、ブックオフオンラインで中古アルバムを買った。これをiTunesに取り込み、Apple Musicに追加して聴いている。私が電子書籍よりも紙の書籍をすすんで購買しているのは、電子書籍は全く所有できるものではなく、それでいて占有を前提としていて共有ができないことに不満を覚えているからだが、音楽にも同じことは言えそうだ。引っ越したらCDプレーヤーとか買おうかな。