視座を高くする前に、視野を変える

necocoa
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「視座を高くしよう」というのはよく聞く言葉だ。これの何が大事なのか考えてみた。よく言われる内容としては、より上位の立場で物事を考えることで目的意識やクオリティを上げることができるというものだ。

これは主に下位のメンバーに言われることが多いと思う。つまり上位のメンバーは多くの場合、下位の立場を経験した後に上位の立場を経験しているため、どちらの視座も持っており、より広くを見ている視座の重要性を理解しているためだ。逆に下位の視座を持っていないと、現場のことをなにもわかっていない人になる。

そこから考えると、視座を高くすることは、上位の視座、つまり広く組織を理解し、そこから洞察する目的・意思決定の精度を上げ、仕事のクオリティを高くすることが期待されている。

しかし、視座を上げることはその立場にならないと見えづらいものが多いと思う。私はその前に視野を変えられることが大切だと思っている。

視座 - その立場から見える範囲・組織

視野 - その人が見ている関係者

たとえばマネージャーの視野は自チームメンバーと上位マネージャー、他部署マネージャーなどの関係者がおり、それらとのやりとりから意思決定をしている。これは上位だけではなく、たとえばよく問い合わせ対応で関わるサポートの方では、お客様と調査・バグ修正を依頼するエンジニアがいる。

私がエンジニアとして「その調査はできない。バグを修正する時間がない。」と突っぱねることは簡単だが、サポートの方はお客様の課題を解決することに遵守しているだけで、突っぱねられると納得できる回答ができず、お客様との板挟みになっている。そこで視野を変えてみると、エンジニアから「この調査は時間がかかるため、簡易な調査のみだけ行い、お客様に飲んでもらえるか?」というような回答をすることができる。

そのように、その関係者が見えている視野を想像するだけで仕事のクオリティは上がる。そうすると視野の想像だけではなく、立場の想像もヒヤリングなどを通してできるようになる。それが視座を高くするということに繋がる。

抽象的で非定型な課題を解いていくには多くのステークホルダーとともに進める必要がある。それらの課題を解ける人物には視野・視座を上位・下位ともに変えられる能力が必要で、私も意識していきたいと思う。

@necocoa
エンジニアリングマネージャーのひとりごと