今の仕事でいくつか気に入っているところがあるが、その中のひとつに海外からやってきた人と話すというものがある。話をする中で、どこから来たんですか、とかおすすめのスポットはない？と聞いたり聞かれたりしながら、最後には良い一日を、と言って別れる。私はあの挨拶が好きで、それを言うことも、言われることも嬉しい。クリスマスシーズンは特に好きで、メリークリスマス！と言われるとクリスマスを楽しみにしているであろう相手の喜びが伝わってくる。言葉の響きがクリスマスツリーの飾りや、街を彩る金色の光、起きぬけにプレゼントを見つけた朝のように思える。よくある挨拶だと言われればそれまでの、あのささやかな祈りのような言葉。一方的な別れではなく、最後に相手のそばにそっと置いていくような優しい言葉を交わせると、良い一日だったなとほっとする。日本語でもそういう形の言葉を伝えられたらいいなとこれまでのやりとりを反芻しながら仕事に行く。