影を超えて

猫晴
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2022-09-15に別ブログに書いた記事の転載です。

『THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow』Blu-ray発売しましたね。

このライブを見たことがPRIMALSにハマったきっかけなのだ。

なので何故このライブを見るに至ったのかを書いておきたい。

 

メンバーのたちばなテツヤ氏(Dr)のバンドを長い事追いかけているので実は結成当初から存在は知っていた。

でもきちんと聞いて来なかったのはひとえに

『ゲーム音楽だから』

これに尽きると思う。

ゲームに対するトラウマ持ち故仕方ないと思いつつ、それが無かったらもっと早くからきちんと聞けてもっと早くに14はじめられてたのかな、というのはまぁたらればなんだけど。

それでもYoutubeで動画が公開されたりとかするとなんとなくは見ていた。

音ゴリゴリでかっこいいなとも思っていた。

それでもきちんと聞いて来なかったのはやはり「ゲーム音楽」というひっかかりが強すぎたのだろう。

あとファンフェス映像などで見られるペンラを振る客にもちょっと引いていた。

こんなゴリゴリロックにペンラ振るんだぁ…。

どうしてもペンラってオタク文化圏のものという認識が強くて(最近は光り物作るバンドも増えてきてるけど)、こんなカッコいい音鳴らしてるのにオタク文化、ゲーム音楽の域を出てないんだな…という風に思っていた。

そこに関しては勿体無いなぁという気持ちが強かったけど。

だってミッシェルやナンバガのライブでペンラ振る人いないでしょう…?

この音がリスナーにロックバンドの音として届いてないんだなと感じてしまったのだ。

それはゲーム音楽の域を出ていない=企画モノのバンドという認識になってしまった。

大間違いだったって後々知るしこの頃の自分を1番しばき倒したいのは自分なので怒りは堪えて頂きたい。

 

そうしているうち、ずっと追いかけて来てはいるのだけどここ数年でたちばな氏のバンドSPARKS GO GOへの熱がめちゃくちゃに上がって来ており、ちゃんとテッチの他のお仕事も聞かなきゃな…と思い始めて来ていた。

改めてYoutubeでPRIMALSのMVを見返したりCD買ってみたりをし始めた時に、今回の幕張ライブが行われた。

スパゴーのツアーが終わったばかりで熱も冷めやらない状態だった私は何気ない気持ちで配信を購入した。

もっとテッチのドラム聴きたいしな。

それくらいの気持ちだった。

 

PRIMALSのライブをきちんと見たのはそれが初めてだったのだけれど、それまで自分がPRIMALSに抱いていたイメージとは全く違っていた。

ゲーム音楽の企画バンドなんてとんでもない。

これはとても上質で純粋なロックバンドだ。

見終わった私は高揚していた。

 

コロナ禍に入ってから、今まで好きだったものに対してもあまり心が動く事がなくなってしまっていた。

それまで年間100本を超えるライブに行くような人間だったのだけれど、ご時世的にライブに行きづらかったりする中でライブ自体に行く気力も失ってしまっていた。

(そんな中で唯一気力を呼び起こしてくれていたのがスパゴーなのだけどそれはまた別の話)

このまま新しいものに心動かす事も無くなってしまうのかなと多少の絶望感を抱いていた。

 

だけど、PRIMALSのライブは私の心に確かに響いていた。

結局配信は期間中何度も繰り返し見た。

何より音が良い。演奏のクオリティという意味でも配信の音質という意味でも。

ご時世的に配信をするバンドも多いけど、音質にがっかりする物も多くて。

特にやられたのが貪欲〜To the Edgeの流れで、リズム隊のカッコ良さに完全に引き込まれていた。

ので、速攻調べて貪欲が収録されたCDを買った。そこからはもう坂道を転げ落ちるかのように音源を買い漁りYoutubeでひたすら動画を漁る事に。

そして配信を見ていてすごく伝わって来たのが祖堅さんの14やヒカセンたちへの深い愛で。

ゲームをやらない私ですらも、作る側の人がこれだけの愛情を持ってるならプレイヤーは幸せだろうな、と思った。

そこから、祖堅正慶という人が気になり出した。

最初はPRIMALS関連の動画しか見ていなかったのだけど、気付いたら祖堅さんが出ている動画なら何でも見ていた。

そうしてPLLやテスト放送や14時間生放送を見ていく事になる。

そこまで来たらもう後は分かるでしょう。

この人が作ったゲームをやってみたい。

そう思うまで然程時間はかからなかった。

最初のうちは「いくら好きになったってゲームやらないしな…」って思ってた。

そんな考えは簡単に覆った。

 

PRIMALSのライブを見ていて、これはヒカセンのための物だなぁと、心底思った。

zeppツアーのBlu-rayを購入してこれもまたアホほど繰り返し見ているのだけど、見れば見るほどそう思った。

どんなにPRIMALSが好きでもヒカセンでない自分はPRIMALSのライブを見に行く事は許されないな、と。(別にPRIMALS側がそう言ってる訳じゃないけど自分はそう思ってしまったのだ)

 

引け目を感じずにPRIMALSを見に行くためにはヒカセンになれば良いのだ。

何より、祖堅さんが心血注いで創っている物をやれないのはあまりにもしんどすぎる。

ゲームをやろうとすると感じるしんどさと、推しの創った物を楽しめないしんどさと、天秤にかけるなら少しでも祖堅さんの為になる方を選びたいと思った。

そうして私はゲームが出来ないトラウマと向き合う覚悟を決めた。

 

PRIMALSに、祖堅さんに出会わなければ私は死ぬまでゲームに触れる事はできずにいたと思う。別に無くても生きては行けるのだ。今までがそうだった様に。でも、14を始めて少しずつだけどゲームをする楽しみを感じていて、やはりそれを知っていると知らないとでは大きく違うとも思うのだ。

 

祖堅さんはよくPRIMALSが普段ロックを聞かないヒカセンたちへの橋渡しになれれば良いと言うけれど、その逆もあり得るのだよと。

祖堅さんの、PRIMALSの音楽からゲームができるようになった人間もここにいるのだと。

それって単なる企画モノのバンドではなく祖堅さんがPRIMALSに求めている泥臭さや純粋なバンド感がきちんとPRIMALSにあるからだとも思うし、それは祖堅さんの意思だけで叶うものでもなく、テッチと、イワイさんと、GUNNさんがいてこそのものだとも。

PRIMALS、めちゃくちゃカッコいい良いバンドなんです。

14を知らなくても、ゲームをやらなくても、その音はきっと届いて響く。

 

あと、テッチがPRIMALSに参加してくれて本当に良かった。そうでなければPRIMALSに出会う事も無かった。スパゴーファン的にはPRIMALSがカッコ良すぎるのはちょっと嫉妬もしちゃうけど。

 

いつかスパゴーとPRIMALSの対バン見たいなぁ…。