林檎さんはよく裏方という言葉を使う。
裏方になりたくて仕方がないことは私が出会った頃から言っている気がする。インタビューなどで感じるのは、人生の軸と主人公は自分であるということだ。林檎さんが自身の曲を女の子たちの人生の主題歌ではなくBGMという言葉を使うのもその一つであるのだろう。
小林賢太郎さんとのインタビューでお二人は自分の作品でその人の人生が豊かになることが一番嬉しいこと的なことをおっしゃっていたのがずっと心の中にある。思うのは好きなものや人他人の存在がその人の人生の全てまでいかなくとも大半を占めてしまうまでになってしまうとそれは違う、なのだと思う。私だってそう思う。私はその人の神様でもなんでもない、十字架でもないし、一人の人間であり同じように人生を営んでいるだけなのだ。その人の人生の主役は一度きりでありその人のものでしかないのだ。自分の人生を生きてほしい、これに尽きるのだと思う。そして自分の人生を一所懸命生きていれば自然と誰かの裏方にもなれる。表も裏も本当はないのだ。視点が違うだけだ。
林檎さんのために自分の人生を少しでも良く生きることが林檎さんへの恩返しだと思っている。林檎さんの音楽があったから私の人生がキラキラしている、そういうふうに言える日が来るようになりたい。林檎さんの人生に乗っかるのではなくて、自分の人生を生きよう、そう思うようになった。二次創作に通ずるものでもあるけれど、ファンアートも楽しいけれどそういう思いもあって自分の絵や作品作りに集中しよう、と思い始めている。頑張るという言葉は苦手だけど、楽しく、たいしたことない自分の人生を生きるのだ。友達も旦那さんもいないけど笑。ないものねだりはもういい歳だし、諦めてきたし、あんまりしないよ。