2024年9月29日の日記

nemuinuu
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 昨日は日曜日ながら平日並みのスピードで起きた。午前中、あたらしい電子レンジが来る予定だったからである。わたくしの学生時代の専攻は実験系なのだが、だからというわけではなくて、むしろ順序は逆なのだが、お菓子を作るのが好きである(お菓子を作るのと実験をするのとをいっしょくたに考えているところが、結局私が研究というものに完璧に向いてなかったところを示しているともいえる)。私にはかなり年上のいとこのお姉さんがいて、私がひとり暮らしを始めるときにはもう就職して結婚していたのだが、そのお姉さんが電子レンジはいいものを買った方がいい、私はひとり暮らしを始めるときに買った電子レンジを結婚するまで持っていた、と当時我がお財布の紐を握っていた両親に言ってくれたので、オーブン機能付きのレンジを所有することになったのだった。そのときに揃えてもらった家電はいちど寮暮らしを挟んだのでほとんど手放してしまって、しかし電子レンジだけは寮の部屋に入ったので、当時からずっと持っている大きい家電はもうこの子だけなのだった。しかして就職し、元気を失うにつれ、お菓子を焼くなどというセルフケアの極みのような行いは徐々に失われ、すなわちオーブン機能を使うのはトーストを焼くときだけになっていたのだが、このたび休職を経て元気を(比較的)取り戻し、お菓子でもまた焼くか、となったときに気付いたのは、なんか、何を焼いても、生焼けなのである。ビスコッティみたいに二度焼きするかと思っても全然かたまらず、おかしいな、配合間違えたかな、と思いつつも、前住んでいた自治体は粗大ごみを出すのに1ヶ月も2ヶ月も待つところだったから、とりあえず新居に連れ込み、パウンドケーキやフィナンシェや焼こうとしてみても、やっぱりどれも全然生焼けになってしまう。調べてみると電子レンジの寿命は10年らしい。この子は今年11歳。かくなる上はさよならするしかあるまい。そう心に決めて電気屋さんに行き、あたらしい真っ白な電子レンジをお迎えした、その電子レンジが昨日の午前中に届いたのだった。古い電子レンジを冷蔵庫の上から下ろしてみると、見えていなかったその天井にはチュチュアンナのロゴが反転してプリントされていて、私は旧居ではパン袋を電子レンジの上に収集していたのだけど、かつてその流れでチュチュアンナのビニール袋も置いてしまい、溶けて映り込んだものらしい。電気屋さんに行って初めて知ったのだが、いまどきの電子レンジはもうほとんど回転するものはなくて、トーストを焼くときには途中でいちどひっくり返してあげないといけないそうだ。お菓子が焼けないからなんだというのだ、この子を手放さない方が、とも思ったものの、完全にぶっこわれてから新しいのを買うのでは困るし、そもそも電子レンジが完全にぶっこわれたら火災とかも怖い。時が来たのだ、と思って、新レンジをどうにか冷蔵庫の上に持ち上げたのだった。空焼きを終えて、手始めにマドレーヌを焼いてみると、ちゃんと焼き目もついて、はじっこはかりかりになって、真ん中の分厚くなったところも芯まで火が通っていて、ベーキングパウダーを多少入れすぎた感はあれど、できたてのあったかいところを食べると大変おいしかった。粗大ごみの日まではまだ数日ある。

 電子レンジとの別れを惜しみたく、たくさん書いてしまったが、昨日はそのあと午後にしながわ水族館に行き、あざらしのあかちゃん(といえどももうモフ毛は生え替わってなめらかになっていたが)しぶきにとろとろにされるなどしてきたのであった。これも書きたいことがたくさんあるし、紙幅も(ほぼ無限に)あるのだが、今朝はふつうに出勤なので時間がない。朝に日記を書くのは、平日は向かないとわかった。夜書こう。

@nemuinuu
できるだけ毎日23:30からの30分間からで日記を書きます。