ブラックギャラクシー6(阿部共実先生)

nengoro
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公開:2023/12/11

 大好きな阿部共実先生の作品を昔まで遡って読み進めている。

 この作品もとても好きだ。やっぱりどの漫画にも阿部共実先生のらしさがある。

 傘を差す理由についての掘り下げ方がとても好き。

 雨を見つめる→傘を見つめる→「傘ってふしぎ」→「人間はなにかと都合のいいように環境を操ってきた」→「雨だけはそのなかでも低レベル。なぜかって物理的遮断による操作だから」→「だから雨を操れない人間は雨の日に憂鬱になる」

 私はその視点から雨を語ったことはなかったけれど。とても共感してしまった。うん、私はとっても詩的だと思うよ。私的で詩的なロジックだと思う。最高だ。阿部共実先生、最高です。

 弥和ちゃんがいい味だしてる。この写真にのってる子が弥和ちゃん。子ども言葉を使いながらなんかすごいロジックの通った知的な雰囲気を出せてる言葉のちからすごい。阿部共実先生の言葉遊びすごい。すげぇ。もんすっごい、すげぇ。ってなってます。

 私も小さいときは一番上の兄弟の友達の輪のなかにはいっていって遊んでもらってたけど、どう見えてたんだろうかと、今思い返してた。たぶん、弥和ちゃんみたいな感じには映ってなかっただろうなぁ。わたし物静かなほうだったし。どれだけ科学技術が発展していっても、統計的なデータで全体のらしさを把握するしかないように、私の過去の人からの思われようだったり、今の見られ方だったり、そしてそれまた本心なんてものをしろうというものなら、それは限りなく不可能に近いものであって。いやはや、世界というものは知りたいことを知れないように出来れてるんですなぁと、なんかおっさんくさい調子で書いてみたりする。

 ドペドフィリア(小児性愛者)という単語を初めてしった。いやそれに類する概念は知ってるのだけれど。そういう特定の専門用語をぶっこんでくるのとても好き。

 あ、違った。いま青色カラーで囲って右クリックしてGoogleで「ドペドフィリア」検索ってしたら、「ペドフィリア」がただしくて、『ド』は強調のドだった。ドレミファソラシドのドじゃなかった。

 埋め込んでおく。 阿部共実先生、『ド』大好きだな。いいな。そういうのわて、ド好きや。

 おならの音は生じるんです。この言葉選びが好きだ。あぁ。言葉選びがいい。心地よい。よきかな。

 地味になんのストーリー的説明もなく弥和ちゃんが部室に入ってくるの最高に好き。(いやそもそもお兄ちゃんを追っかけて部室にやってくるのにかわいいじゃん以外の理由はいらない。かわえええええええ!!!)ギャグ漫画の伝統なんだろうか。ギャグと説明的とは相補的な関係にはないんだろうか。でもギャグにも説明的な部類のものもあるし。ギャグだからとかそういうのなしで、説明的になるところとそうでないところの、線引きって作家さんによってそれぞれ違うんだろうな。私は知的なストーリーだったとしても説明的になりすぎるのは嫌だ。いや誰でもそうか。このぼんやりとした創作手法の言語化をはやく創作を通して身につけていきたい。漫画ではまだあんまりやったことないからなぁ。

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 途中、漫画紹介の回で、アングラ漫画の意味を調べたらWikiがあったのでありつけておく。

 タナトフォビアも出てきた。初めての言葉。私もよる寝てるときに、ふと「あー私いつか死ぬんか」てな感じで考えると心拍数バク上がりして悶絶する体験よくあるから、それに近いのかな。リンクを貼っておく。というかWikipediaさんすごいね。なんでも解説あるんだね。ひとってたくさんいるんだね。

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 第20話まできた。ギャグのなかにあるシリアス。これがうまい。とってもいい。みんながドン引きしてる、というか呆れてるなか。弥和ちゃんもまたすんごい表情してるのがいい。この情緒的ななにを考えてるかわからない顔。これこそギャラクシーだよ。ブッラクギャラクシーだよ!!!

 読みながら感想を書いてまた読んでとしていると時間はそれなりにかかるが、いいなぁ。この読み方私は好きだ。あと創作者にとってこの読み方は財産になっていくとも思っている。というのも私は結構記憶力ないほうだから。好きって気持ちも程度でけっこう薄れていっちゃうものだから。

 だからこれからも読みながら私はリアルタイムの感情を書き留めていく。この感情以外に大切なことってないんだよね!バーグマン!

 意味のない世界に意味(概念)を見出していくのが人間って生き物。そのなかで唯一大切にしていきたいなって、どんなにつらくても確かにそこにあるって思えるのは、てやんでぃ!私の私だけの感情ってもんよ。

 私はそのリアルを大切にしていきたいってんだよぅ!大切な人たち好きな景色とかを通してそれを感じていきたいんだよう!備忘録だよう!

 阿部共実先生の新作まってるよう!!!!!!

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P.S.

 最終話「何もなく暮らすブラック」

 雰囲気がとっても潮が舞い子が舞いの最終話に似ていた。

 二人だけっていうところもそうだし。

 このときから書きたいなと思ってることを、阿部先生は一貫して持っているような気もする。勝手な妄想かもしれないけど。

 作品の終わり方って本当に作家性が出ると思う。そこには自分の書く作品への愛だったり、漫画という概念に対する愛だったり、とにかく作家さんの考えが如実にあらわれていると私は思っている。

 だからこそ、作品の終わり方って難しいんだと思う。私も小説はストーリー構成として漫画のために練習してるけど、終わり方って永遠にいいのが決まらない命題みたいになってる。正しい終わり方ってなんだろうと、ストーリーの真っ只中にいるときよりも考えてしまう。

 そんなことを追加で考えてしまった。

 私はこの阿部共実先生の作品の終わらせ方が総じて好きだ。

 人生にとって大切なことだったり、そういうぼんやりとしたところが見えてきそうな気がする。

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@nengoro
バーグマンはいつも隣に