どこかの民家の2階で、少年が壁を背にしてペンギンと向かい合っている。畳の上に立っている少年は右手にオールステンレスの小さな包丁を持ち、体力測定でやる反復横跳びのようにジャンプを繰り返している。
少年がこのような行動をとることには合理的な理由がある。ペンギンには(少なくとも少年の目の前にいるペンギンには)、横方向に動くものを見るとその動きを真似る習性がある。つまり少年がやろうとしているのは、ペンギンの動きを誘導して、右手で持っている包丁で切りつけるタイミングを見計らっているというわけだ。
ただしペンギンの動きは存外に素早く、少年が包丁を振っても避けられてしまっている。
少年はジャンプを繰り返していたときに、包丁を落としてしまった。すぐさま包丁を拾ったものの、包丁の刃で右手の親指を切ってしまい、血が出ているのがわかる。
命に別状はないような軽傷だが、少年が泣き叫び出してしまったのでペンギンとの戦闘はここで強制終了。
自分はこの一部始終をベランダからの視点で見ていた。
起床。
車検で車の鍵を預けるときに、キーホルダーで一体になっていた家の鍵も一緒に渡してしまったため、仕方なく喫茶店でこれを書いている。パソコンも家の中なので、野帳に書いたメモをもとに手書きで推敲したものをスマホで打つ運用をしてみた。
手書きで書くのも悪くない。慣れの問題ではあるけど、スマホだと作業の割に文字数が少なく感じるのと、文字の候補が随時表示されるのがとても煩わしいと思ってしまった。