1
まっすぐな長い坂を、バスが下っていくのを後方から見ている。坂道の途中にあるバス停でバスが一時停止すると、大きな体の男がバスから降りた。その取り巻きと見られる子分たちも男の周りにいる。
大きな男は手に拳銃を持っていて、銃口をこちらに向けてくる。気付かれたようだ。彼らはリヤカーのような荷台で何かを運ぼうとしている。何を運んでいるのか具体的にはわからないが、それは何かしらの可燃性の危険な爆発物で、彼らの手に渡るのは良くないということだけは確信した。
荷台にめがけて近くにあった果物(桃やブドウ)を投げると、狙い通りクリーンヒットした。弾けた果物の果汁によって、少なくとも爆発することは防げただろうから、少し安心できた。
2
N部君と二人で歩いて見知らぬ場所を旅をしている。日も暮れかけていて、あたりはもう薄暗くなっている。
見渡す限り山のない平地で、鉄塔がいくつも建っていた。今日のところは、ここで野宿をすることにした。
地面からの冷えを防ぐための、スポンジが中に入った厚手のアルミシートというかマットを敷く。大人二人が横になれるくらいの大きさなので、 N部君と一緒に厚めの毛布を掛け、横になった。
近くに民家や街灯の明かりはないが、思ったより暗くない。そうか今日は月が出ているのか、と思って空を見る。
いくつかの黒い鉄塔のシルエットと共に、空には巨大な青白い月が浮かんでいた。
こんなに大きな月は見たことがなかった。
起床。
本当に大きな、きれいな月だった。
昔、数日かけて結構長い距離を歩いたことがあるけれど(300kmくらい)、春の野宿はけっこう寒く、眠れなかったので結局夜通し歩いたことを思い出した。
Permanent ID of this document: 51E1RRAC97R5J7RPB4SN72MF40