寝ているときに右足の人指し指を蚊に刺された。それに加えて、左足の甲の親指の付け根あたりと下唇も刺された。
「足の人差し指」という言葉で思い出したのが「足の人指し指が中指っぽい」という感覚だ。たしかキムタクと山口智子がトレンディドラマで話していた気がする。
仮に手と足にそれぞれ指が5本あって、それらの数が等しいとしても、各指の感覚まできっちり対応しているとは限らない。よほどのことがなければ足の「人指し指」で何かを指し示すことはないと考えられるので、「足の人指し指が中指っぽい」のは、あくまで手の感覚をベースにして足の指を捉えているということだろう。
「足の人差し指」という言葉を足の指の場所を指す為だけに使うなら、その感覚的な類似性までは求められない。もし必要であれば、感覚や役割に相応しい別の言葉を割り当てるべきだろう。おそらく大抵の人にとってはそこまでの不満もないから、「足の人差し指」という言い回しが残っているんだと思う。
こういう「言葉と身体感覚のズレ」みたいなことで、なんとなくクラゲとキクラゲの関係を連想した。
キクラゲは、木に生えてる食感がクラゲっぽいもの、ということでキクラゲだそうだ。でも個人的には「クラゲの食感」というものに馴染みがない。クラゲに関しては、昔、旅館みたいなところで、和風のコース料理みたいな流れの一つとしてクラゲを使った料理が出てきて食べたような気もする、という程度の印象だ。
その一方、キクラゲは学校の給食でたまに出てきた記憶があるし(焼いていない感じの焼きそばの具に入っていたような気がする)、たまに中華料理にも入ってたりするやつ、だと認識している。
考えてみると、普段食材の食感には対して着目していない気がするが、体験の回数でいえばキクラゲの食感の方に馴染みがある。
だから正直な感覚としては「クラゲの食感はキクラゲっぽい」となるはずで、人類の歴史と個人的な認識は逆転してしまっているのだが、かといって今までにそれで何か不都合を感じたことはない。
キムタクと山口智子みたいにこういうことを共感しあえるのは「クラゲの食感がキクラゲっぽいっと思っている誰かとクラゲを食べたとき」なんだろうけど、果たして今後その状況に巡り合うことはあるんだろうか、とも思う。
でもそういう人は案外いるような気もしている。
子供の頃、たまに地面に生えているワカメみたいなものをキクラゲだと思っていた。だから、あれを食べるのはなんか嫌だという気持ちがあり、食わず嫌いなところがあったかもしれない。
ちなみにそのワカメみたいなやつの名前はイシクラゲというそうだ。
あれって食べられるのか。