幼なじみが、いわゆる授かり婚をしたという噂を聞く。はたしてそれが本当なんだろうかと考えながら、渡り廊下を歩いている。彼はすでに結婚をしていたはずだが、まあそういうことがないとは言い切れない。かといって、自分がその事情に深入りしても仕方ない気もするが、気にはなってる。
渡り廊下を渡り終えると、男性スタッフに案内されて放課後の児童預かり所にたどり着いた。預かり所という特別な場所があるわけではなく、実際には体育館だった。この場所を放課後に預かり所として使っているという。黄色い帽子を被った小学生が十数人、大人しく体育座りをしている。迎えに来る保護者を待っているのだろう。ただ、体育座りで待たなくてもいいんじゃないかと思う。
自分は子供を迎えに来たわけではなく、この施設がどんなものか見学しに来たようだった。受付の女性に話しかけると、いつの間にか辺りの景色が体育館から草原に変わっている。小高い丘の上にログハウスのような建物が見えたので、そこに向かってみた。
建物は喫茶店だった。店主は片言の日本語を話していて、それなりに意志疎通はできるようだ。日本のものだと、とくにカキ(果物の柿だと思われる)とサクラが好きだと店主はいう。メニューを見ると、コーヒーは1ペソからとなっている。現在のレートでは、1ペソはだいたい1000円くらいだという。通貨の単位が円ではないことに戸惑ったが、そもそも現金を持っていないことに気づく。ズボンの右ポケットに入っていたのは、1000円札をコピーしたA4サイズの紙を折り畳んだものだった。
起床。起き抜けに記録したノートの冒頭には708708という数字が書いてあったけれど、このストーリーとの関連が思い出せない。
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